【アウディ Q2】#型破るでショッピングリストに載せる

自動車 ニューモデル 新型車
アウディQ2
アウディQ2 全 16 枚 拡大写真

アウディの新規投入車となる『Q2』は、“#(ハッシュタグ)型破る”という造語をマーケティングコンセプトに設定した。

◇新たな遊びの提案は、新規ジャンルのQ2とリンク

「Q2の日本導入に関して、そのターゲットをクリエイティブな仕事をしている方々に設定し、その人たちに響くコミュニケーションを核に据えてプランニングした」とは、アウデジャパンマーケティング本部デジタル&CRMマネージャーの井上大輔さんの弁。

クリエイティブな仕事をしている人たちは、「従来のテレビや雑誌を中心にしたコミュニケーションより、ソーシャルメディアや、おもしろ企画、話題になるような企画が響くことを踏まえ設計した」という。そこで、博多発祥のラーメン専門店、一風堂とのタイアップなどQ2導入前から、様々な企画を展開しているのだ。

そこでのポイントは、「いままでこの世に存在しない、新しい何かを作るというコンセプトだ」と井上さん。Q2は、「既存のカテゴリーでは括れないクルマなので、それを表現するために既存のカテゴリーでは括れない何かを作ろうとしている。従って一風堂とは、あえてラーメンとは呼ばず、ラーメンでもないサラダでもない、全く新しいフードを作るというチャレンジを行った」と述べる。

いまはだれもが知っているバンジージャンプという遊びがある。これは元々ニュージーランドのある人がこの遊びを作ったといわれ、それまでは当然名前も、ジャンルすらなかった。それを“バンジージャンプ”として定着させ、いまは逆バンジーが出来るなど、ひとつのジャンルとして定着している。こういった遊びを考えようと、アウディでは“スカイチャンバラ”を例として挙げるとともに、広く一般からも新たな遊びを募集している。

「5月末までこのキャンペーンを行っており現在300件ほどの応募がある」と井上さん。今後は、三つ優秀なアイデアをセレクトし、実際にアウディがQ2のイベントを開催していく中で実現、披露していくという。

では、その選考判断基準は何か。井上さんは、「いままでになかったものを作る。それがQ2とのリンケージになるので、いかに“型破って”いるか、いかにいままでにないものを創設してるかというのが判断基準になるだろう」と話す。

◇ショッピングリストに載せてもらうために#型破る

さて、このようなキャンペーンを行うことで販売にどうつなげるのか。そのキーは購入ステップの初期段階のショッピングリストにある。購入に至るにはそのショッピングリストから絞り込みを行っていくことが多い、いわば購入候補車リストだ。従って、ショッピングリストに上らなければ、購入に結び付く確率は非常に低くなるのだ。

Q2は新規投入車種であることから、まずは認知度を向上させなければならない。そこで、このような話題性のある戦略を取ったのだ。井上さんも「最初に候補に入らせることが一連のマーケティング活動のゴールだ」と認め、「あくまでもショッピングリストに入れてもらうための第一歩だ」と位置付けた。

アウディではこのために“型破る”という造語を作った。このワーディングに至るヒントはアップル社の“Think different(シンク・ディファレント)”だった。「本来英語では“Think it differently”で、Think differentは、日本語で“違う考える”のように文法的に間違っているが、これはあえて行っているものだ」と井上さん。

「“型破り”が正しいのだが、それだと聞き流してしまうだろう。そこで、あえて違和感のある言葉を使うことによって、引っ掛からせることを狙ったのだ」と説明。そして、「今回は、日本車からのアップグレーダーなどアウディの新しいユーザーも狙っているので、“Q2”という数字の羅列は覚えにくく、Q2というクルマを思い出してもらう時に、何だっけあの型破るというクルマは、と思い出しやすい効果を狙ったのだ」と述べる。

井上さんは、「クルマを買おうかな、ウェブサイトを見ようかなと思った時に、型破るというクルマもSUVだよねと記憶の隅に引っ掛けてもらうのが一番の役割だ」とこの効果を語った。

《内田俊一》

内田俊一

内田俊一(うちだしゅんいち) 日本自動車ジャーナリスト協会(AJAJ)会員 1966年生まれ。自動車関連のマーケティングリサーチ会社に18年間在籍し、先行開発、ユーザー調査に携わる。その後独立し、これまでの経験を活かしデザイン、マーケティング等の視点を中心に執筆。また、クラシックカーの分野も得意としている。保有車は車検切れのルノー25バカラとルノー10。

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