【特別座談会】華麗なるレースクイーンの世界、その実態に迫る…お金、仕事、プライベート

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座談会の様子
座談会の様子 全 19 枚 拡大写真

激しく熱い走りで、多くの人々を魅了するモータースポーツ。そんなエキサイティングな世界に華を添えるのはレースクイーンの存在だ。なくてはならない存在であるレースクイーンだが、彼女らの仕事内容をご存知だろうか。レスポンスでは3人のレースクイーンを招き、レースクイーン座談会を開催。仕事内容はもちろんのこと、仕事の楽しさや辛さ、オフの日の過ごし方まで、レースクイーンの素顔に迫った。

座談会参加者紹介

今村知可さん(本文中:知可)

レースクイーン4年目。2016年はSUPER GT300の「Audi Team braille」に所属。レースクイーンを継続するために、今年もまさにオーディションを受けている最中。モデルとしても活動している他、グラビア風のCD-ROMに出演したりと、幅広く活動している。愛称はちかっぱ。
Twitter:https://twitter.com/ChikaLanguage



鈴木あかりさん(本文中:あかり)

2011年にレースクイーンとしてデビューし、2年間、SUPER耐久とSUPER GTで活躍。最近では2015年に86/BRZ Raceに、2016年にSUPER耐久の初戦のみレースクイーンとして活動する。モデルやイベントコンパニオン、キャンペーンガール、ラウンドガールとしても活躍中。愛称はあかりん。
Twitter:https://twitter.com/akarin_szk



草加もなさん(本文中:もな)

レースクイーン1年目。2016年はSUPER耐久の「ホンダカーズ野崎 with BOMEX」に所属。知可さん同様、今年もまさにオーディションを受けている最中。普段はイベントコンパニオンやラウンドガールとしても活躍。趣味がコスプレということもあり、撮影会も開催している。愛称はもなもな。
Twitter:https://twitter.com/in0a


レースクイーンを始めたきっかけは?

あかり:私は最初からレースクイーンを選んだのではなくて、モデル・女優・グラビア・レースクイーンのオーディションを受けていったら、たまたまレースクイーンで合格したんです。それがレースクイーンを始めたきっかけかな。

もな:私は2016年の2月にイベントコンパニオンのオーディションを受けたときに、事務所のマネージャーからレースクイーンを紹介されたのがきっかけなんです。

知可:私は東京オートサロンのオーディションを受けさせてもらって、そこから車好きになったのがきっかけ。そこから鈴鹿サーキットが近いということで、レースを観戦するようになったんです。そこでお仕事をされている方を見て、自分もそこの場で働きたいと強く思うようになり、レースクイーンのオーディションを受けるようになりました。

レースクイーンの仕事内容は?

もな:レースクイーンの仕事内容って、どのレースかによって結構違うんじゃないんですか?私はSUPER耐久をやっていたので、レース時間が長かったんです。なので、他のレースクイーンのお仕事とは違って、おにぎりとか握っていましたし(笑)。でも、耐久レースじゃない普通のレースだとそういうことはないですよね。

知可:SUPER GTだと、ピットウォークやグリッドウォーク、物販で忙しいし、取材も入るので、ドライバーさんのケアはあまりできないという感じですね。ドライバーさんに対してのケアは、傘で陽射しや雨を防ぐといったことかな。

あかり:レースクイーンの仕事って世間一般的に見たら、「レースクイーンって傘差して立っているよね」っていうイメージだよね。けど、アスファルトの照り返しで夏は暑いし、逆に冬は寒いし。結構肉体労働みたいな感じはするね。

知可:やっぱり企業さんのイメージもあるから、その場での振舞いもちゃんとしなくちゃいけないし、ドライバーさんやメカニックさんへの気配りもあるから、「ラクしてそう」というイメージを持たれると、辛いところはありますよね。


あかり:お客様対応もするし、メディアさんの対応もするし、決して傘持ってラクしているわけではない(笑)。

オフの日の過ごし方

もな:これは完全に人それぞれですよね。私は絶対に家から出ないです(笑)。ハードディスクに貯めていたアニメを見たり、あとは、一日中お風呂に入っていたり。最高10時間くらい入っていたこともある(笑)。

知可:私ははしゃぎたいタイプです。オフの日は「しっかりしなくちゃ」という意識があるので、はっちゃけるくらいに騒ぎたいタイプです(笑)。

もな:だって、昨日もディズニーランド行っていましたもんね(笑)。

知可:私は友達が大好きで、友達と話したりとか、カラオケ行ったりとか、ご飯食べたりとか……。構ってちゃんタイプかもしれない。

あかり:私はそういうときもあれば、仕事が終わった次の日は24時間寝るみたいなときもある(笑)。完全に引きこもって、堪らなくなったら外に出て、カラオケに行ったりご飯に行ったりしている。

知可:あと、オフの頻度ってバラバラですよね。レースはだいたい金土日じゃないですか。平日はモデルや展示会のお仕事で予定を埋めていくので、それが重なっちゃうと20連勤とかになってしまうこともありますよね。逆に、それが重ならないと10連休とかもあるし。

もな:しかも、仕事のスケジュールってぎりぎりまで分からなかったりするじゃないですか。なので、なかなか予定を立てられないから家に引きこもるっていうのがあるかもしれない。

あかり:友達と約束ができないよね。特にOLさんとは休みが合わない。

もな:友達を失っていきますよね(笑)。


知可:だから、同じような仕事をしている子じゃないと一緒に遊べないですよね。

あかり:レースクイーンとかイベントコンパニオンをやっている友達と仲良くなっていくよね。

レースクイーンの仕事で辛かったことは?


もな:これ、私1個しかないです。寒かったこと!

知可:暑いのはまだ我慢できるんですけど、寒いのは本当に我慢できないです。手が動かなくなるくらいに寒いときもあります。特に、SUPER耐久の茂木は寒さが辛いです。

あかり:11月のツインリンクもてぎは特に寒いよね(笑)。

知可:SUPER耐久のもてぎで一度雪が降ったときがあって、そのときは本当に凍えそうでした。

あかり:ほぼ水着みたいなコスチュームだから、その状態でピットウォークに1時間立っているだけでも辛いよね。

知可:しかも、ホッカイロつけられないし(笑)。

あかり:ホッカイロつけられるところがないよね。結局我慢するしかない(笑)。

もな:しかも、体を縮こまれずに手足を広げるような場面が多くて、なおさら寒いですよね。

あかり:そうそう。寒すぎて、ファンの人からもらった写真を見たら、顔はすごい笑っているんだけど、全身に鳥肌が立っているときがあった(笑)。

知可:夏は暑くても汗を拭けば何とかなるけど、冬の寒さはどうにもならないですよね。

あかり:あと、寒さ以外だと、ヒールで足が痛くなることが辛いよね。


知可:すごい高いヒールを履いているし、移動が大変。

あかり:サーキットの中を高いヒールですごい歩くから、足の爪が潰れそうになる。

知可:ヒールはこけそうになるときもあります。坂道多いし、コンクリートもボコボコしているし……。

もな:私、その辛さがなかったんです。衣裳がスニーカーだったので。逆に、すごい走っていましたもん(笑)。忘れ物をしていったカメラマンさんを50mくらい走って追いかけたこともあります(笑)。でも、ヒールは見ていて辛そうだなあと思っていました。

レースクイーンは儲かる?


もな:レースクイーンの仕事だけで生活していくのは無理じゃないですか?

知可:無理無理!


あかり:レースクイーンの仕事だけで生活している人がいたら、どうやって生活しているのか、逆に聞いてみたい。

もな:レースって1ヶ月に何度もある訳ではないじゃないですか。だから、あの仕事数で生活できていたらすごいと思う。

知可:だって、SUPER GTだけでも第8戦まででしょ。SUPER耐久だって、第6戦までだし。だから、全部やったとしても絶対食べていけないよね。

あかり:全部のカテゴリーに出るのもスケジュール的に難しいしね。

知可:しかも、D1グランプリとSUPER耐久の日程がかぶっているとなると、余計に難しい。

あかり:だから、レースクイーン以外のお仕事もしている人が多いよね。

知可:撮影会のお仕事している人が多くないですか?

あかり:レースクイーン撮影会みたいなのもあるしね。

もな:レースのチームが主催している撮影会が結構ありますよね。

知可:そこでお客さんを集客して、レースに来てもらうというのが目的ですよね。レースクイーン絡みの仕事だとそういった撮影会くらいで、レースクイーン絡み以外の仕事だったら、イベントコンパニオンとかモデルをしている人も多いですよね。

レースクイーンの仕事の楽しみは?

もな:これはいっぱいありますよね。

知可:私はレースが好きですし、特に好きなチームで応援できるとレースの動向も気になってワクワクします。しかも、ドライバーさんと身近で接触できる機会もあるので、かなり楽しいです。あとは、周りの方からレースクイーンという立場で見てもらえるので、カメラマンさんやファンの方はもちろんのこと、一般の方からも「一緒に写真取ってください」とかと声掛けてもらえるのが嬉しいです。

あかり:小さいお子さんのいるご家族とかが、「お姉さん一緒に写真取ってください」とかと言われると、ほっこりするよね。あと他には、レースクイーンがいないと華を添えられないし、ドライバーさんの雨や陽射しが当たらないようにするという、自分に与えられた仕事自体が嬉しいし、楽しい。

もな:実は私、初めてドライバーさんに会ったとき怖いなあって思ったんです。しかも、第1戦に行ったとき、自分がそこにいても意味がないんじゃないかなって思っていたんです。チームの一員になれていないような居づらい感じがして。けど、レースが終わってマシンから降りてきた汗だくのドライバーさんが、がしっと握手をしてくれたんです。そのときは結果があまり良くなかったんですけど、「次は勝つから」と言ってくれて、すごい感動して泣いちゃったんですよ。そのときに、この仕事はすごい楽しいんだなって思いましたね。


知可:私たちは小さな協力しかできないかもしれないけれど、チームの一員として一緒に頑張ったと感じる瞬間がとても嬉しいです。チームが優勝したときとかも、すごい嬉しくなったりして。同じ感動を共有できた瞬間は、本当に嬉しい。

もな:みんなでチームを作っているんだなって、すごい思いました。ドライバーさんは運転することにすごい真剣だし、メカニックさんもマシンの整備にすごい真剣に取り組んでいる。レースクイーンは車の運転や整備をしたりする訳ではないけれど、衣装とかでアピールして、少しでも注目してもらうところに意味があって。だから、そういったことを真剣にやって、一緒にチームを作っていっているんだなって思いましたね。

今後取り組みたい仕事は?

知可:私はレースクイーンが第一目標だったんで、その先ってなると考えられていないところがあります。でも、いろいろなジャンルに挑戦していったら方向性が見えてくると思うので、今は何も拘らず、いろいろなジャンルに今後挑戦していきたいなと思っています。

もな:私はこの仕事をやりたいっていうのはないんですけれども、大きい目標としてはWikipediaに載りたいです(笑)。ちょっとやそっと活動したくらいでは、Wikipediaって薄い内容になっちゃうじゃないですか。そこにぎっしりと書くことがあるくらい、いろいろな仕事にチャレンジしていきたい。あと、将来おばあちゃんになったときに、嫌な内容がWikipediaに出てこないようにしたいなとは思っています(笑)。「これはちょっとやらない方が良かったな」みたいなことはしたくないなって思います。でも、それ以外の仕事はどんどんやってWikipediaを埋めていきたいです。

あかり:私はレースクイーンやキャンペーンガールとかをやってきて、チームや商品をPRしたりすることが好きだから、これらの仕事はこのまま続けていって、最終的にはグラビア系をやっていきたい。年齢とかも気になってくるけれども、年齢っていうのはただの数字だから、見た目で勝負をしたいと思っています。

知可:どこかの女優さんが「Age is just number」って言っていました。それを聞いてから、私もそう思うようになりました。年齢を理由に何かを諦めるのは、無駄なことだと思うんですよね。

あかり:年齢とかじゃなくて、自分のやる気次第だよね。それと、「若い子にはできないことが私にはできる」と思った方が生き残っていける気がする。

知可:年齢によっての需要もあると思います。若いからっていう理由でレースクイーンやっている子もいると思うんですけど、ドライバーさんのケアをしっかりとできるという意味で、海外のチームだと年齢層高めのレースクイーンの方がいいっていうところもあるじゃないですか。例えば、私は20後半になるんですけど、2016年に所属していたAudi Team brailleさんが「年齢を重ねているから採用した」と言ってくれたことがあって。なので、年齢ではなくて、自分の本質で勝負をしたいなと思います。年齢は、本当に“Age is just number”なんだと思いました。


出演モデル協力:BRAND inc.
https://twitter.com/BRAND_RCM
https://twitter.com/BrandShooting

《松木和成》

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