フォルクスワーゲン グループ ジャパン(VGJ)は5月25日、東京・豊洲のTOYOSU PITで主力の小型車『ゴルフ』の新型を発表。ティル・シェア社長は「商品構成の中心となるゴルフの新型投入により、反転攻勢を加速させる」と力強く語った。
約4年ぶりに刷新したゴルフは、渋滞時に前方の車を自動で追従しつつ車線からはみ出さないようにする機能を一部の車種を除き標準装備したほか、レーダーで前方の障害物などを検知する自動ブレーキを歩行者も検知できるようにして安全性を高めた。
また、車内のディスプレイには近接センサーを内蔵し、画面の前で指を動かすだけで操作できるようにした。メーター部についても12.3インチの大型のものにして直感的な操作を可能にする先進のデジタルインターフェースを採用。車内情報はもちろんのこと、カーナビなども表示することが可能となっている。文字通り、フォルクスワーゲン(VW)が今持っている技術をふんだんに取り入れた車といっていいだろう。
それだけにシェア社長のゴルフに対する期待は高い。しかも、ゴルフは日本市場で最もポピュラーな輸入車で、1975年の初代投入以来、42年間で約85万台を販売した実績がある。現在、日本でVW車のユーザーが66万人いるが、その半分以上がゴルフに乗っており、ゴルフからゴルフに乗り換えるユーザーが多いという。
仮にその1割が乗り換えれば3万台以上なるわけで、「反転攻勢を加速させる」というシェア社長の言葉に力が入るのも頷ける。今回のゴルフの投入で、輸入車トップのメルセデス・ベンツをなんとか捉えたいという思いだろう。その差は4月末時点で4800台ほどだ。
「新型ゴルフはゴルフを超えることが求められるとともに、ゴルフの良さを引き継ぐことが求められた。今回の新型ゴルフは先進の安全技術を導入して進化し、ゴルフを超えることができた。ぜひ実車で体験してください」とシェア社長は熱く話していた。今週末の27、28日には、お台場で市場可能な大規模カスタマーイベント「フォルクスワーゲン・デイ」を開催する。
今回VGJが販売するモデルは、全5シリーズ、6モデル、12グレードで、価格は249万9000円~569万9000円だ。