【三菱電機 研究開発成果披露会】コネクティッドカーに向けた取り組みをアピール

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体積比50%を実現した超小型インバーター試作品
体積比50%を実現した超小型インバーター試作品 全 5 枚 拡大写真

三菱電機は5月24日、都内において研究成果発表披露会を開催した。幅広い分野を手掛ける同社だが、ここでは自動車産業に関連する取り組みについて紹介する。

コネクティッドカー向けダイナミックマップ配信システム

自動運転を実現するために、カメラ・センサーなど車両からの目線では届かない、広域の情報を提供する「ダイナミックマップ」を作る取り組みが進んでいる。このダイナミックマップは、静的な情報(道路、車線、路上の構造物など)と、動的な情報(渋滞・規制情報、信号情報、周辺車両・歩行者情報など)から成っており、「静的な情報は協調領域、動的な情報は競争領域と認識している。三菱電機の役割は、動的情報の収集、配信などの運用部分だ」と担当者は説明する。

「(コネクティッドカーの通信規格としては)DSRCにこだわっているわけではないが、5GよりもDSRCのほうが導入が先になるだろうと考えている。準天頂衛星による高精度測位やMMS(三菱モービルマッピングシ
ステム)などの技術を活用していきたい」とのことだ。

車車間通信(V2V)

車車間通信によって、死角にある障害物を連絡しあって安全性を高める技術について展示されていた。右折時に、対向車の死角を走行しているバイクの存在を知らせることによって、安全性を高めるというデモンストレーションだ。「2021年にはある程度DSRCが普及しているという前提で開発を進めている」と担当者は説明する。

超小型インバーター

ハイブリッド車やEVには不可欠なインバーターを、SiC(シリコンカーバイド)によって超小型化した試作品が展示されていた。「電動化と言うと、モーターやバッテリーが注目されるが、インバーターも重要な要素。今のEVではインバーターが大きなスペースをとっているが、今回の試作品では50%以上小型化した」とアピールする。

「SiCインバーターは、他のメーカーでは家電用など低電圧品で実用化されているが、当社では電圧の高い鉄道車両用インバーターでの実績を活かし、EV/HEV向けのインバーターに着手した」とのことだ。現在、各自動車メーカーにセールスをしており、並行して完成度を高めていく計画とのこと。

《佐藤耕一》

日本自動車ジャーナリスト協会会員 佐藤耕一

自動車メディアの副編集長として活動したのち、IT企業にて自動車メーカー・サプライヤー向けのビジネス開発を経験し、のち独立。EV・電動車やCASE領域を中心に活動中。日本自動車ジャーナリスト協会会員

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