【人とくるまのテクノロジー2017】大型トラックでもCNGを! いすゞ、ギガ 用エンジンを出展

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いすゞギガCNG(人とくるまのテクノロジー展2017横浜)
いすゞギガCNG(人とくるまのテクノロジー展2017横浜) 全 11 枚 拡大写真

これまでにも小型、中型トラックではすでに展開してきたCNG(圧縮天然ガス)車のlラインナップを大型モデルのギガへも拡大している。

パシフィコ横浜で開催された「人とくるまのテクノロジー展2017横浜」(24~26日)には、大型トラック「ギガ」のCNG車用エンジンを出展した。直列6気筒のCNGエンジンは、従来生産されていたディーゼルエンジンをベースとしながらも、CNG燃料で最大限のパフォーマンスを発揮できるよう随所にノウハウが盛り込まれて開発されたエンジンである。

「もともとは、パワーも航続距離の点でもディーゼルエンジンの方が優位性があり、一般には難しいとされてきた大型トラックのCNG車。実は大手運送会社からの要望が強い車両でした。排ガスがクリーンであるということは何物にも代えがたい価値があります」

「この6UV1-TCNというエンジン、同等のサイズのディーゼルエンジンに比べると少しパワーが控えめで、航続距離が伸びないという課題がどうしてもネックだったのです。ボンベを増設し、理論上は750kmほどの航続距離を最大で稼げる容量まで増やしてありますので、首都圏と京阪神エリアなど、扱い量の特に多い物流にも多少のゆとりをもって配車していただくことが可能になりました」

「ブロックなどはディーゼルエンジンをもとにはしていますが、軽油と違って、点火しないと燃焼しないCNGエンジン車。マルチポイントインジェクションで各燃焼室の吸気ポートにインジェクタを配置、燃料噴射タイミング、噴射量を精密に制御することによって走行中の理想的な空燃比を作り出し、都市間走行で低燃費ながら扱いやすいパワー&トルク特性を作りだします」

「また安定した燃焼を維持するために燃焼室の形状などもCNG専用です。直列6気筒エンジンの採用も、ディーゼルエンジンに比べて補器類が多くなるCNGエンジンでは好都合な面もありました。排ガスも三元触媒で高い浄化性能を誇ります」と担当者は話す。

走ることで貨物を運搬し、目的地まで届けるという価値を生み出している長距離トラック。しかし同時に、その業務プロセスを社会に対して常につまびらかにしているのだ。企業イメージや、走っているときにも示すことができる企業の姿勢。そういったことも求められる時代なのである。ユーザーが置かれた立場を考え、ユーザーの声に耳を傾ける。そうしたことへの一つの回答として「CNG車」もあるようだ。私たちの暮らしを支える物流の現場からの要請で生まれた技術、車種。説明を聞いていると、この国のトラック物流をデザインし続けてきたと言ってもよい「いすゞ」の誇りのようなものをが感じられるようだった。

《中込健太郎》

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