国産ハイエンド車載用スピーカー、『DS-SA1000』の魅力と実力を検証する Part.2…プロに訊く

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『DIATONE・DS-SA1000』デモカー「日産・ノート」 by M.E.I.(広島県)
『DIATONE・DS-SA1000』デモカー「日産・ノート」 by M.E.I.(広島県) 全 5 枚 拡大写真

昨年、DIATONEブランド誕生70周年、車載用DIATONEスピーカー発売10周年を迎えた国産ハイエンドブランド“DIATONE(ダイヤトーン)”から、新たなフラッグシップスピーカー『DS-SA1000』がリリースされた。この最高峰ユニットの魅力は何であり、実力はいかほどなのか…。

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発売開始から約半年が経過し、ユーザーカーやデモカーへの採用事例が増えてきたことを受け、愛用者の声を訊くことで、その核心に迫ろうと試みている。2回シリーズの後編となる今回は、広島県の実力店、“M.E.I.”が製作したデモカーをご紹介する。

■“最高の音”を聴かせるためのデモカーのスピーカーとして『DS-SA1000』を選択。

まずは、デモカーの基本データからお伝えしたい。ベースカーは“日産・ノート”だ。完成されたのは今年の2月下旬。搭載ユニットは以下のような顔ぶれとなっている。メインユニット兼プロセッサーとして『DIATONE SOUND.NAVI NR-MZ200PREMI』を活用し、パワーアンプにはカロッツェリアX『RS-A09X』が使用されている。そしてフロント2ウェイスピーカーが“DIATONE”の『DS-SA1000』、これにカロッツェリアのサブウーファー『TS-W1000RS』を組み合わせる。なお当サブウーファーを鳴らすパワーアンプにはモスコニの『PICO2』が使われている。

さて、当デモカーの存在理由はというと…。答えは、ずばり「“M.E.I.”が作り出す最高の音を聴かせるため」である。ちなみに、このクルマが作られる前には、“最高の音”を聴かせるクルマは別にあった。しかしながら山本さんは昨年末に『DS-SA1000』の音を聴き、その音質性能に魅せられ、“最高の音”を聴かせるデモカーの代替えを決断。こうしてこのクルマは作られることとなったのだ。

なお、製作に当たってはベースカーから見直された。それまでは、“メルセデス-ベンツ・Cクラス”が使われていて、それはそれでボディ剛性も高くオーディオカーベースとしてのコンディションは良かったのだが、そこを敢えて変更した。それは、「過去に製作した車両の中で、もっともスピーカーセッティングが素直に決まった車種だったから」。これもひとえに、“最高の音”を引き出すためのこだわりのチョイス、というわけなのだ。

■「音源に収められている情報を、そのまま出せるところ」が、『DS-SA1000』の最大の魅力。

次に、山本さんが『DS-SA1000』を気に入っている、そのポイントを教えていただいた。それは「音源に収められている情報を、そのまま出せるところ」とのことだ。なるほど確かに“DIATONE”は、放送局用のモニタースピーカーの名機を輩出し始めた1940年代当時から、「原音に忠実。何も足さない、何も引かない」というスピリッツを育んできた。山本さんに言わせるとこの『DS-SA1000』では、まさしくそれが極まっている、ということなのであろう。

そうである理由は、『DS-SA1000』が「工業製品として高精度で、完成されているから」だと山本さんはみている。実際当機は、スピーカーに必要なスペックがハイレベルだ。数値に表れる部分にとどまらず、聴感上で判断される要素においても出来映えが優秀だ。つまりひと言で言って「客観的に高性能」。そこに山本さんは魅せられているのだ。

ところで、現代のカーオーディオにおいて主流のシステムレイアウトとは、“マルチアンプシステム”である。これは、1つ1つのスピーカーユニットに、パワーアンプの1chずつをあてがうシステムなのだが、そうすることでスピーカーユニットをより効率的に、力強くロスなく駆動することが可能となる。であるので、サウンドコンペに出場するようなハイエンドオーディオカーのほとんどが、“マルチアンプシステム”を採用している。

しかしながらこの“日産・ノート”では、これが採用されていない。続いては、その理由を教えていただいた。

■“パッシブ”を敢えて使うことで、『DS-SA1000』の良さをより引き出せる。

ちなみに、カーオーディオにおいての“マルチアンプシステム”には、メリットがもう1つある。それは、1つ1つのスピーカーを個別に制御できるので、詳細なチューニングが可能となることだ。ただし『DIATONE SOUND.NAVI NR-MZ200PREMI』では、“マルチアンプシステム”を構築せずとも詳細なチューニングが可能だ。

当機には“DIATONE”だけのスペシャル機能、“マルチウェイタイムアライメント”が搭載されていて、これを用いれば、トゥイーターとミッドウーファーを同一chで鳴らしても、個別に詳細にコントロールできる。だからこそこの“日産・ノート”では、“マルチアンプシステム”が組まれていないのだが、理由はそれだけではない。

「1つのスピーカーにパワーアンプの1chずつをあてがうことには利得があるのですが、まずは2chで4つのスピーカーを鳴らすこのシステムで音を出してみたところ、これがなかなかに良かったんですね。

このシステムレイアウトでは、スピーカーに付属されている“パッシブクロスオーバーネットワーク”で信号の帯域分割を行うのですが、音楽信号を“パッシブクロスオーバーネットワーク”に通過させることで、仕上がりの音に良い影響が出ているように思えたんです。それも含めて『DS-SA1000』であるわけですし、このスピーカーの能力を引き出そうとするならば、“パッシブ”も含めて鳴らしていくのが良さそうな気がしています。

将来的には、“パッシブクロスオーバーネットワーク”の“バイアンプ接続機能”を活用して、“パッシブ”を用いながらの4ch駆動を試してみようとも思っています。それがこのスピーカーにとっての究極形となりそうですね」

■無駄な響きや装飾は皆無ながら、素材の旨味がほとばしる…。

さて、ここまで『DS-SA1000』に惚れ込み、そしてこのスピーカーのポテンシャルを最大限引き出すことにこだわって作られたこのシステムからどのような音が聴けるのだろうかと、興味津々で試聴させていただくと…。

真っ先に感じたことは、「余分なものが何もない」ことだった。ノイズ成分がまったく感じられなかったのは当然として、無駄な響きや装飾が、一切存在していない。音の輪郭は至ってシャープで、音と空間が完全に分離している。専門的な言葉で言えば、「S/N感が高い」ということになるのだが、要は「音が極限的にクリア」だったのだ。まさしく、「原音に忠実。何も足さない、何も引かない」という音世界が広がっていた。

しかしながら、無味乾燥かというと、それとはむしろ真逆だった。調味料の味は一切しないのだが、素材の旨味はほとばしっている。多分、究極的に美味しい料理を食べたなら、こんな印象を抱くのではないだろうか。なんとも耳に、心に、心地良い。

山本さんは、こうも言っていた。

「“DIATONE”は、真面目なブランドだと思うんです。物づくりに真剣に取り組んでいることを、製品からひしひしと感じ取ることができます。だからこそ、このサウンドが出せるのでしょうね。

お客様から、ハイエンドスピーカーの中からおすすすめを教えてくれと言われたら、その中の1つには、この『DS-SA1000』を入れたいと思っています。自分がもっとも気に入っているスピーカーですから。“DIATONE”のことは、これからも応援していきたいですね。国産ブランドに元気がないと、市場に魅力がなくなってしまいますから」

もしも“M.E.I.”まで足を伸ばすことが可能なエリアにお住まいならば、この“日産・ノート”の音を、体験しに行ってみてはいかだろうか。『DS-SA1000』の良さを、十二分に味わえることは、間違いない。

国産ハイエンド車載用スピーカー、『DS-SA1000』の魅力と実力を検証する。Part.2 プロに訊く

《太田祥三》

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