気になるニュース・気になる内幕---今日の朝刊(朝日、読売、毎日、産経、東京、日経の各紙・東京本社発行最終版)から注目の自動車関連記事をピックアップし、その内幕を分析するマスコミパトロール。
2017年6月7日付
●5月新車販売プリウス首位(読売・8面)
●円、1か月半ぶり109円、株は2万円割り込む(読売・9面)
●原油安圧力次々、「協調減産外」米・リビア増産、カタール断交OPEC「乱れ」(読売・9面)
●山手線、新車両に防犯カメラ、東京五輪見据え20年の春までに(朝日・30面)
●外国車14か月連続増、5月販売、新型・ディーゼル人気(毎日・6面)
●佐川、週3日制導入、宅配業界、他社も検討(産経・2面)
●最速に挑む、トヨタの挑戦、モータースポーツで社内カンパニー、「クルマづくりの基盤に」18年ぶりWRC参戦(産経・10面)
●「5G」通信23年全国で、携帯大手、IOT加速(日経・1面)
●内定率早くも63%。来春卒、1日時点、ミスマッチの懸念(日経・2面)
●ホンダの米新車販売奨励金、「年後半から抑制」今期業績上振れも(日経・19面)
●ガソリン、半年ぶり安値圏、東京の先物(日経・20面)
ひとくちコメント
毎月、月初めには前の月の国内新車販売台数のランキングが明らかになる。日本自動車販売協会連合会と全国軽自動車協会連合会が発表するもので、きょうの各紙も5月に販売した車名別の順位と解説記事を報じている。
だが、国内市場にかつてのような勢いがなくなり、あっと驚くようなサプライズが少ないのか、記事の取り上げ方は極めて控えめだ。
例えば、読売は経済面で「5月新車販売プリウス首位」との1段見出しで、本文の記事は20行足らず。ランキングの一覧表もベスト5位まで。朝日、日経も表はベスト10まで取り上げているが、いずれも経済面の片隅に地味な扱い。
東京は表もなく、記事はわずか8行で、順位も7か月ぶりに首位に返り咲いたトヨタ自動車の『プリウス』のほか、2位のホンダの軽自動車『N-BOX』、それに3位のトヨタのスポーツ用多目的車(SUV)『C-HR』のみである。
そんな中、毎日は国内メーカーの順位の掲載を見送る一方で、日本自動車輸入組合が発表した5月の外国メーカー車の輸入販売台数を中心に取り上げている。それによると、台数こそは少ないが、外国メーカー車の5月の販売台数が14カ月連続で前年同月を上回ったことを伝えている。
好調に推移している背景には「国内景気が拡大する中、エコカー減税を背景に新型モデルや環境性能を高めたクリーンディーゼル車の人気が高まっている」(毎日)からだという。
このうち、5月のブランド別販売台数では、ダイムラーのメルセデスベンツは主力車『Eクラス』が貢献して1.8%増の4735台で27カ月連続トップ。2位のフォルクスワーゲン(VW)と1~5月累計でも約6000台の差をつけており、前半戦は首位での折り返しになるという。
ただ、輸入車の人気は環境性能ばかりでもなさそうだ。1~5月累計で前年同期比11.9%増の二桁の伸びとなったボルボ・カー・ジャパンの木村隆之社長は「顧客の多くは安全装備の充実を高く評価してくれている」との見方もある。
ボルボでは2020年までに新型車に搭乗中の交通事故による死傷者ゼロを宣言するなど、安全対策についての地道な取り組みがブラント価値を高めているとみられる。