【ホンダ CBR250RR】必要だったのはバイク好きである自分自身を裏切らないという覚悟[開発者インタビュー]

モーターサイクル 新型車
ホンダ CBR250RR
ホンダ CBR250RR 全 9 枚 拡大写真

大人気となっているホンダ『CBR250RR』。開発責任者である河合健児さん(株式会社本田技術研究所 二輪R&Dセンター)はこう言う。

「ものづくりの判断基準は、それが本当に欲しいかどうかです。(若手が集まった開発チームの)各メンバーにはひとりのバイク好きである自分自身を裏切らないという覚悟を求めました」

「そしてこのような若いメンバーの価値を最大限に発揮させるため、コンセプト作りから始まる意思決定のプロセスにはチーム全員を関わらせました」

「CBR250RRの開発コンセプトは、直感、体感、新世代“RR”です。意味合いとしましては、一目で魅せる姿、気持ちよく走れる、進化したスーパースポーツ、の具現化となります」

「このクルマはご存知のようにクラス初の装備やナンバー1の性能を備えていますが、開発コンセプトに定量的な数値目標はありません。非常に定性的つまり感覚的なコンセプトです。開発メンバー自身が凄さを体感できるかどうかが重要だと考えました」

「そしてこれを達成するために、各技術領域ともすべて白紙から取り組んでいきました。その白紙からまず最初に線を描いたのがCBR250RRの骨格です」

「ゼロからコンセプトを具現化するために、開発メンバー全体が専門領域を越えて骨格づくりに関わりました。ご存知のようにマシンのキャラクターは車体パッケージングで決まります。その点、この数値目標なく、専門領域を越えて骨格を検討するという進め方は社内でも異例で、まわりからは『骨格はマシンの命、スーパースポーツを甘く考えるな』と言われたりもしました」

「たしかにそうです。しかし決して舐めているわけではなりません。新しいやり方と意志を入れたら、当然その責任つまり結果を生み出す義務があります。若いチームは必死で取り組みました。振り返ればこの健闘は、開発のプロセスを通してチーム全員が常に外観と性能の調和を高め続けることを考えていました」

【ホンダ CBR250RR 開発者インタビュー】
1. 若い開発陣で、一目で見ただけで“凄さ”が伝わるものを

《青木タカオ》

モーターサイクルジャーナリスト 青木タカオ

バイク専門誌編集部員を経て、二輪ジャーナリストに転身。多くの専門誌への試乗インプレッション寄稿で得た経験をもとにした独自の視点とともに、ビギナーの目線に絶えず立ち返ってわかりやすく解説。休日にバイクを楽しむ等身大のライダーそのものの感覚が幅広く支持され、現在多数のバイク専門誌、一般総合誌、WEBメディアで執筆中。バイク関連著書もある。

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