【FOOMAジャパン2017】初出展のデンソーウェーブ、2種類の新型ロボットで食品業界へ食い込み狙う

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コーヒーを入れるVS-S2ロボット
コーヒーを入れるVS-S2ロボット 全 4 枚 拡大写真

デンソーの子会社、デンソーウェーブは食品機械の展示会「FOOMAジャパン2017」に初出展した。「VS-S2シリーズ」と「HSRシリーズ」の2種類の産業用ロボットを展示し、これから食品業界にも積極的に売り込んでいくという。

VS-S2シリーズは医薬・医療用ロボットで銀色。表面が非常に滑らかで、職人が丁寧に磨き上げている。というのも、少しでも凹凸があると、そこに塵やゴミなどが付着して、菌が繁殖してしまう可能性があるからだ。そのため、表面には止めているネジもなく、内側からネジで止めているそうだ。今回の展示会では、そのロボットがコーヒーを入れ、来場者に振る舞っていた。

一方、HSRシリーズは今回の目玉のロボットとのことだ。同社関係者によれば、「速く動き始める」「速く動き続ける」「正確に止まる」という現場が求め続けてきた基本性能を極限まで追求し、“本物の高速性”を実現した高速スカラ(水平多関節)ロボットだという。

「通常、パンフレットなどに書いてある最高スピードは瞬間的なものであり、そのスピードを長く維持できない場合が多いんです。このロボットは、1分間にどれだけ仕事ができるかということに力点を置いて開発したもので、クラス最高レベルの高速動作を実現しています」と同社関係者は説明する。

しかも、同様な仕事をする天吊り型のパラレルリンクロボットよりもコンパクトであるため、大きなスペースが必要なく、その分設置コストも安く済む。同じスペースで2台のロボットを置くことができる。

HSRロボットが速く動き続けられるのには秘密があるそうだ。まず放熱設計になっていて、モーターが発する熱をうまく逃がすようになっていること。そして、優れた振動を抑制する制振制御技術を使い、速く止まるようになっている。そのため、次の動作に速く移ることができるわけだ。

すでにデンソーの工場をはじめ自動車関連工場で活躍しており、食品工場でもいろいろと活用できるのではないかと初出展に踏み切った。中小型の搬送、組み付けを得意とするデンソーロボットは今年、開発を始めてから50周年目の節目を迎えた。今後もその強みを活かし、大手とは差別化した形で食品業界をはじめ、自動車以外の業界に切り込んでいこうとしている。

FOOMAジャパン2017は13~16日、東京ビッグサイトで開催。主催は日本食品機械工業会。

《山田清志》

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