【アイサイト ツーリングアシスト 体験】自動運転“レベル2”実現へ進化、意思を持った自然な制御に驚き

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アイサイト「ツーリングアシスト」を搭載したレヴォーグのテスト車で追従走行をおこなった(後続車)
アイサイト「ツーリングアシスト」を搭載したレヴォーグのテスト車で追従走行をおこなった(後続車) 全 19 枚 拡大写真

スバルが19日に発表した「アイサイト」の新機能「ツーリングアシスト」。その発表を前に、プロトタイプを実際にテストコース内で走行する体験会が報道関係者向けに開催された。その体験レポートをいち早くお届けする。

アイサイトが自動運転「レベル2」の実現へ大きく進化

新搭載された「ツーリングアシスト」で追加された機能は大きく三つある。一つは、これまでのアイサイトにも備えられていた「車線中央維持」の作動領域を、従来の「60km/h以上」から「0km/h以上」へと大幅に拡大したこと。二つ目は、「全車速追従機能着きクルーズコントロール(ACC)」では高速道路や自動車専用道路上において0km/h~約120km/hの範囲で実現したことだ。三つ目は「先行車追従操舵」を追加で、これらを組み合わせることによりアイサイトは「レベル2」の自動運転が可能になったことになる。

スバルでは、このアイサイト「ツーリングアシスト」を今夏発売予定の新型『レヴォーグ』『WRX S4』への標準装備化し、それを皮切りに日本国内向けのスバル全車に標準装備化を進める計画だ(※『BRZ』などの一部スポーツタイプを除く)。

体験試乗は大きく4つのパターンで展開

この日の体験会は日本自動車研究所(JARI、茨城県城里町)の周回路を使って実施。試乗は以下の4つのパターンに分けて行われた。

まず(1)基本操作の体験としてACCを70km/hの高速域にセットして自然な加減速(2)70km/hの高速域のまま左カーブの中で動作するステアリングの安定感(3)渋滞モード区間として30km/hにセットし直し、白線内を先行車の動きに惑わされず追従する様子を体験。白線がない状態で先行車に追従する様子も体験した。(4)先行車が車線内から外れていなくなったときでも引っ張られることなく安定した操舵アシストを行う体験を行った。
アイサイト「ツーリングアシスト」は、一時的には手放し走行が可能なほど安定した制御を行う。※テストコース内での実験走行
(1)の区間では先行車が加減速を繰り返すのに適切に追従し、その加速、制動はいずれも違和感なく突っ込みどころがないぐらい自然。停止時間が3秒以内なら、先行車の動きに合わせて自動で再発進を繰り返す。一方で3秒以上停止し続けた場合は、停止時間が2分以内であればシステムをレディ状態で維持するという。

(2)は高速道路では少しキツめの左カーブ。ここを70km/hのまま先行車に追従していく。ステアリングからは白線の中央付近を走ろうとするテンションがクイクイッと伝わってくる。このテンションは従来の「車線中央維持」よりもかなり明確だ。

(3)では高速道路上の渋滞を想定。ディスプレイ内に白線認識が表示されている限り、先行車が車線をはみ出すほど左右にぶれて走行しても影響を受けず真っ直ぐ走行する。次に白線を消した区間も用意されると、今度は先行車の追従して走る動きを見せる。この切り替えも特に意識することなくいつの間にか変わっていたという感じだった。

(4)では、ゆっくり走行していた先行車が急に路線を外れていなくなるシーンを想定。車速が30km/hに設定したままなので低速時のステアリングアシストを体験するシーンだったが、2周目の体験では70km/hに設定したままで走行。この時は先行車がいなくなると70km/hに向けて急加速し始めたが、その加速も決して不安を感じることはなく自然な感覚でいられた。

突っ込みどころのない自然な制御

アイサイト「ツーリングアシスト」が備えた最大のポイントは、全車速域で作動する「ステアリング制御」にある。特にステアリング制御は従来よりも明らかに“意志”を持っているかのように明確に行い、そのまま手放しでも行けそうなほど安定ぶりを感じた(※約10秒間ステアリングに入力がないと警告が入り、そのまま放置するとさらに約10秒で自動操舵はOFFとなる)。
「全車速追従機能着きクルーズコントロール」と「車線中央維持」が動作し、先行車を捉えている状態
また、アシストは外乱によって影響を受けることがあるが、その度にドライバーはステアリングの修正を余儀なくなされる。これが積み重なると疲労にもつながるわけだが、アイサイト「ツーリングアシスト」ではその辺りの修正回数は大幅に低減した印象を受ける。

動作状況のモニタリングも進化した。従来と同様、ステレオカメラで車線を認識すると、メーター内のマルチインフォメーション ディスプレイには白線を認識したことを表示するが、今回からは作動中は白線表示から青色表示へと変化する。これによって作動状況が一段と把握しやすくなっていたのも大きな進歩と言える。

体験会を通じて感じたのは、その制御が突っ込みどころがないぐらい極めて自然に行われていたことだ。スバルによれば「制御に連続性を持たせることでドライバーの違和感を徹底して排除した」とのことだが、その成果は見事に達成できたように思う。

メータ内ディスプレイ表示は従来と同様にやや小さめに感じるが、それでも以前よりは色分けで見やすさを高めている。「ツーリングアシスト」の搭載により、アイサイトは自動運転の「レベル2」実現へ向けて大きな進化を遂げたのだ。

《会田肇》

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