徹底比較テスト! FOCALのメルセデスベンツ Cクラス 専用スピーカーキットと純正スピーカー

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メルセデス-ベンツ・Cクラス セダンのインテリア。
メルセデス-ベンツ・Cクラス セダンのインテリア。 全 7 枚 拡大写真

フランス発の有名スピーカーブランド「FOCAL」から、「メルセデス-ベンツ・Cクラス」専用のスピーカーキットが昨年より発売され、人気を博している。当キットと純正スピーカーとの比較試聴が出来る貴重な機会が得られ、その人気の理由を検証した。

「FOCAL」からリリースされている「メルセデス-ベンツ・Cクラス」専用スピーカーキットは2タイプ存在している。今回聴けたのは、『PS 80 F for MB』(税別価格は8万円、取付費・脱着工賃除く)。よりリーズナブルなほうの製品だ。これが装着されたデモカーと、純正状態のままの2台の「メルセデス-ベンツ・Cクラス セダン」を行き来して、そのサウンドの違いを徹底的に聴き比べた。

■キットには、スピーカーの性能を引き出すための“音響パーツ”も同梱。

最初に、「FOCAL」というブランドをご存じないという方に向けて同ブランドのプロフィールをおさらいしながら、『PS 80 F for MB』の概要をご紹介していこう。

「FOCAL」とは、高級スピーカーの世界的リーディング・ブランドである。1ペアの価格が2000万円を超える『Grand Utopia EM』から、スタジオモニター、ホームシアター&マルチメディア、ヘッドフォンまでをラインナップし、世界中のオーディオファン、音楽ファンから幅広い支持を得ている。カーオーディオ用スピーカーにおいても、フラッグシップ『Utopia Be Ultima』(税抜価格:200万円)から、トヨタ車等車種専用のトレードインキットまで豊富に取り揃え、多様なニーズに対応している。

なお、『PS 80 F for MB』に採用されているスピーカーは、振動板素材にフランス特産の“亜麻”が使われている「FOCAL」の新スタンダードグレード『FLAX(フラックス)シリーズ』の80mmモデル。同シリーズは、クリアでナチュラルな音色とコストパフォーマンスの高さが特長の人気シリーズだ。

キットには、スピーカーに加え、“バッフルボード”や“パッシブネットワーク”といった“専用音響パーツ”が同梱されている。各音響パーツには「メルセデス-ベンツ・Cクラス」のための最適なチューニングが施されており、『FLAXシリーズ』スピーカーの性能を確実に引き出せる工夫が多々、盛り込まれている。

■高音を担当する“トゥイーター”が装着されていないことの不利は否めない…。

その『PS 80 F for MB』が純正スピーカーに対して、どれほどの実力を示すのか、興味津々でテストに及んだ。まずは、最新の「メルセデス-ベンツ・Cクラス セダン」の純正オーディオの音から確認した。

なお今年の2月に、「メルセデス-ベンツ・Cクラス」は、セダンとステーションワゴンに「C200 4MATIC アバンギャルド」が追加され、同時に全モデルの装備が一部変更されている。どうやらスピーカーも改良されているようで、以前試聴したときと比べて、音質が向上している印象だった。

これだけを聴いていると、大きな不満要素はないようにも思えた。しかし試聴した「メルセデス-ベンツ・Cクラス セダン」には、トゥイーターが装備されていない(上級グレード向けのセットオプション装着車以外では、基本的にトゥイーターは未搭載)。ドアにセットされているミッドウーファー1つで、中低音から高音までを再生している。そのため、トゥイーターを備えたセパレート2ウェイスピーカーと比べてのビハインドは否めない。

ただ、低音の量感については、純正スピーカーとしては良好な印象だ。足元にサブウーファーがセットされているのだが、これがなかなかに効いているようだ。通常の17cmクラスの純正スピーカーが再生する低音に比べてパワフルだ。

さて、この音に対して、『PS 80 F for MB』のサウンドはどうなのか…。

■トゥイーターと“専用音響パーツ”の効果により、サウンドが一段とクリアに。

次に、『PS 80 F for MB』が装着されたほうの「メルセデス-ベンツ・Cクラス セダン」に乗り込み、その音を聴いてみた。

一聴して感じたのは、高域のクリアさだ。誰が聴いてもそう感じるに違いない。1音1音に余分なにじみがなく、輪郭がシャープだ。こう聴こえるようになったのは、間違いなくトゥイーターのおかげであろう。高音の情報量・解像度が増し、各楽器の音がしっかりと表現されている。

低音の質感も向上している。低域においてもクリアさが増していて、かつ、締まっている。密度が高く引き締まった低音が、躍動感たっぷりに再生されている。

低音の質が改善されている理由は、『PS 80 F for MB』にセットされている専用音響パーツの1つである、“パッシブネットワーク”の効果だ。これにより、ドアのスピーカーと純正サブウーファーに“役割分担”をさせることができているからだ。

純正スピーカーでは、ドアのスピーカーとサブウーファーの両方から中高音が鳴っていた。しかしデモカーでは、“パッシブネットワーク”によって、ドアのスピーカーの低域側と、純正サブウーファーの中高域側がそれぞれカットされている。結果、両方のスピーカーが自分のすべき仕事に専念でき、“仕事の質”を上げられたのだ。雑味が取れて、音源のままの低音が再生されている。

スピーカーを交換しただけでは、この効果を得られない。『PS 80 F for MB』では、純正サブウーファーを活かす工夫も盛り込まれている、というわけなのだ。

そして中音の質感も当然ながら向上している。ボーカルにしても管楽器にしても、音色が豊潤になった。「FLAXシリーズ」スピーカーの良さを、存分に味わうことができた。

念のため、もう1度、純正スピーカーが積まれたままのクルマに戻って聴き返してみたが、今度は、その音を物足りなく思うばかりだった。

『PS 80 F for MB』の性能の高さを、改めて思い知らされた。『PS 80 F for MB』によって「メルセデス-ベンツ・Cクラス」のドライブがより快適になるであろう。

メルセデス-ベンツ・Cクラス」のオーナーは、「FOCAL」の『PS 80 F for MB』という専用スピーカーキットがあることをお忘れなきように。

「FOCAL」の「メルセデス-ベンツ・Cクラス」専用スピーカーキットと純正スピーカーを、徹底比較テスト!

《太田祥三》

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