工学院大学のWSC2017参戦車両は「翼」がテーマの空力マシン

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WSC2017に参戦するWing
WSC2017に参戦するWing 全 16 枚 拡大写真

工学院大学ソーラーチームは、10月に開催される「2017ブリヂストンワールドソーラーチャレンジ」に参戦する新型ソーラーカー『Wing』を6月末に公開した。これは同チームにとって4台目のソーラーカーとなる。

工学院ソーラーチームは2013年から、オーストラリアで隔年開催される「ワールドソーラーチャレンジ」(WSC)に挑戦し、2017年も3大会連続でエントリー。今回は純粋なスピードを競う「チャレンジクラス」での参戦となる。同チームの特徴は車両の設計や製作、さらにはチームの運営など、あらゆる活動が学生主導で進められていること。そして優勝を目指しながらも、常に新しいアイデアに挑んでいることだ。

今回の車体レギュレーションは全長5.0x全幅2.2m以下、太陽電池は4平方メートル以下と定められている。前回よりも車体寸法制限が拡大されつつ、太陽電池パネルの総面積は逆に縮小された格好だ。乗車定員は1名でよいが、4輪であることが必須。こうした規則を受けて、同チームは前面投影面積のきわめて小さい、独特なデザインを生み出した。

学生たちが設計し、Wingと名づけられた新型ソーラーカーは、ユニークなプロポーションを持つ。車体から分離された太陽電池パネルは前後に長く、全長は規定いっぱいの4990mm。いっぽう全幅はわずか1050mmで、これは空力性能を徹底的に追及したため。前面投影面積を最小限に抑えつつ、車体は純粋な涙滴型を採用した。

太陽電池が貼り付けられたCFRPの一枚板は、車体が発生させる気流の整流効果を追求した曲面形状。これが車名の由来にもなっている。同チームによれば「自然界がデザインした3D曲面に、人工物である太陽電池が搭載されています。自然との共存と、若いエンジニアが将来に羽ばたくことを意味しています」とのことだ。

Wingの前後トレッドは狭いが、コーナリング時の安定性は確保されているという。旋回性能を確保するために4WSを採用。インホイールモーターを支えるサスペンションは前後ともマルチリンク。いずれも空力性能を最優先させたパッケージレイアウトに従った設計だ。

学生キャプテンを務める仲川拓朗さん(大学院修士課程機械工学専攻2年)は「徹底的にオリジナリティを追求した、オンリーワンの構想で車両を製作しました。全体バランスの最適値を追う毎日を繰り返してきました」と説明している。

《古庄 速人》

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