【カーオーディオ “取り付け”至上主義】スピーカー・インストールの奥義 その9

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アウターバッフルの一例。製作:モービルサウンドテクノロジー(東京都)。
アウターバッフルの一例。製作:モービルサウンドテクノロジー(東京都)。 全 1 枚 拡大写真

カーオーディオの取り付けには、さまざまなノウハウが存在している。その1つ1つを掘り下げて解説しようと試みている当コーナー。まずは、スピーカーをドアに取り付ける際に注がれている英知の数々をご紹介している。

先週は、“アウターバッフル”について、これが何なのか、どんなメリットがあるのかをご説明した。それに引き続き今週は、“アウターバッフル”がどのような構造となっているのかを考察していく。

“アウターバッフル”は基本的に、“インナーバッフル”を厚くして作られる。そうすることでスピーカーを立ち上げ、スピーカーの取り付け面を内張りパネル面に出すわけだ。

このようにして作るときの最大の難関は、立ち上げたスピーカーと内張りパネルをどう一体化させるか。スピーカーと内張りパネルは別パーツとなっているのだが、それをあたかも同一パーツであるかのように見せるところが、インストーラーの腕の見せ所の1つとなる。

なお、インナーバッフルから立ち上げずに、内張りパネルにスピーカーを固定する、という作り方が選択されることもある。ドア内部の構造上の都合等で、そうするしかないときもあるのだ。そのようなケースにおいては、強度の確保が特に重要となる。内張りパネルは鉄板に比べて軟弱だ。それへの対策が甘くなると、スピーカーがしっかりと踏ん張れず、性能を発揮できなくなってしまうのだ。

なお、“インナーバッフル”を立ち上げて“アウター”化する方式においても、音に関する注意点が1点、存在している。それは「背圧対策」だ。“インナーバッフル”を厚くしていくと、全体が筒状に伸びていくことになるのだが、そうなることで、スピーカーの後ろ側から発せられる音エネルギー(背圧)の“抜け”が悪くなる。背圧が上手く抜けないと、スピーカーの振動板の動きにストレスがかかり、スピーカーのパフォーマンスが落ちてしまう。

これに対処すべく多くのプロショップでは、内側を削り、奥に行くに従って内径を大きくさせていく加工を施す。こうすることで、背圧の“抜け”が良くなるのだ。

さて、「スピーカー・インストールの奥義」としてお届けしてきた「第1章」は、今週で終了とさせていただく。次週からは、「トゥイーターのインストール」をテーマにお贈りしていく。乞うご期待。

【カーオーディオ “取り付け”至上主義!】第1章 スピーカー・インストールの奥義 その9

《太田祥三》

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