日野 下社長「大型トラックの世界ではディーゼルエンジンが主流で残っていく」

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日野自動車 下義生 社長
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日野自動車の下義生社長は7月5日に都内で就任後初の会見に臨み、トラックやバスの電動化について「当然、取り組まなければいけない」としながらも、「トラックの大型を中心とした世界ではディーゼルエンジンが主流で残っていく」との考えを示した。

会見で下社長は今後の商品開発の方向性を問われ「EV(電気自動車)については実証試験で『ポンチョ』という小型バスを走らせているし、当然技術開発としては取り組まなければいけないし、やるべきだと思う。ただ一番大きいのは我々のクルマはやはりお客様にとってはある種の道具なので、いかにコストを抑えられるかということがない限りなかなか一般化していかない」と応じた。

その上で「イメージ的には小さい部分はEV、大きいトラックは燃料電池車ということになっていくと思うが、いずれにしてもコストをいかに抑えるかという観点でいうと、仲間造りが必要になってくる。日野の台数だけで新たなユニットとか、電動の補機類を開発してもなかなかコストメリットがないので、いかに同じような思いのあるメーカーと一緒になって、商用車に合ったユニット開発をいかにできるかが、将来本当に電動化のトラックやバスが一般化していくキーになると思う」と強調した。

技術開発のメドに関しては「2025年や2030年というレンジにはマーケットに導入できるくらいのイメージを持って開発をしていかなければいけない思うが、これは従来の技術の延長線上ではなく、トヨタのユニットを例えば2個使いみたいなことで本当にできるのかとか、いろんな観点で考えていかなければいけない」と述べた。

ただその一方で「商用車の世界、とくにトラックの大型を中心とした世界ではディーゼルは主流で残っていくと思う。単位当たりのエネルギー密度やコスト面を考えても、ディーゼルの置き換わるものは今の所なかなか難しい」とも指摘。

さらに「大型トラック等ではトヨタグループとして燃料電池のトラックというのはしっかり今後検討していきたいと思うが、これもだいぶ技術的な解決をしないといけない部分もあるし、タンクの容量の問題もあるので、やはりトラックの本来のたくさん積めてリーズナブルな価格で提供できるという観点からいけば、ディーゼルエンジンの果たす役割はまだまだ主流だと考えている」とも話した。

また下社長は「過去の先輩たちが築き上げてきた日野ブランドを、私が(社長を)やらせて頂く間にさらに価値のあるブランドに高めて次の世代に引き継いでいきたい。具体的にはここ数年日野自動車が取り組んでいるトータルサポート。トラックやバスというのは10年、15年という単位でお客様がお使い頂くので、その間のビジネスパートナーにしっかりなっていく。ここを今後の我々の強化ポイントということで取り組んでいきたいと思っている」との抱負も語っていた。

《小松哲也》

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