11日11時56分頃、鹿児島県鹿児島市喜入町で最大震度5強の強い揺れを観測した。同町は鹿児島市役所から南に約28キロに位置する。また同県指宿市、南九州市で震度5弱を観測したほか、鹿児島県を中心として九州地方で震度4~1を観測した。
地震による津波の心配はない。地震の強さを示すマグニチュードM5.2。震源の場所は鹿児島湾、深さは10km。(いずれも暫定値)
気象庁は13時15分に、松森敏幸地震津波監視課長が会見を行い、注意を呼び掛けた。
「今後1週間程度は震度5強程度の地震に注意が必要。また2~3日は規模の大きな地震が発生することがある。雨だけでなく地盤のゆるみが地震の揺れで進むことがある。状況を判断して、危ないところには近づかないように」
鹿児島湾を中心とする過去の地震は、今年3月11日にM3.9最大震度3の地震があったが、ここ100年ほどで大きな地震はなく、直近では1914年(大正3年)1月の桜島地震までさかのぼる。桜島噴火後数時間で発生した鹿児島湾を震源とするものでM7.1の地震だった。
「今回の地震による桜島や周辺の火山に異常はみられない」(小久保一哉火山活動評価解析官)という。
JR九州では指宿枕崎線(上下)で五位野~枕崎が運転を見合わせ。同鹿児島中央~五位野、鹿児島本線(上下)川内~鹿児島、日豊本線(上下)都城~鹿児島で運転の遅れが出ている。九州新幹線は一部で地震の影響確認のため運転を見合わせたが、まもなく復旧した。
霧島市にある鹿児島空港までは鹿児島市から約45キロ離れている。国土交通省鹿児島空港事務所は「ほとんど揺れは感じられず、通常通りの運航を続けている」と、語った。