旧湧網線駅跡の客車を修復へ…北海道網走市が支援を募集中

鉄道 行政
返礼品の一部となっている、水彩色鉛筆画家・鈴木周作さんが描いたポストカード。旧卯原内駅周辺は美しいサンゴ草が群生する土地。そこを走るキハ22形気動車が絵柄になっている。
返礼品の一部となっている、水彩色鉛筆画家・鈴木周作さんが描いたポストカード。旧卯原内駅周辺は美しいサンゴ草が群生する土地。そこを走るキハ22形気動車が絵柄になっている。 全 2 枚 拡大写真

北海道網走市は、網走市鉄道記念館に保存されている旧型客車の整備を行なうための支援を、インターネット募金(クラウドファンディング)を通して募っている。

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網走市鉄道記念館は、1987年3月に廃止された湧網線(中湧別~網走間89.8km)に設置されていた卯原内(うばらない)駅跡に1988年12月に開設された。

同館前には、9600形蒸気機関車49643号機や、オハ47形客車(オハ47 508)が展示されている。

オハ47 508は、かつて釧網(せんもう)本線で使われていた客車で、鉄道記念館では簡易宿泊施設として使われていた時期もあった。

しかし、度重なる台風被害などで損傷が激しくなり、2012年からは車内への立入りができない状態が続いている。

整備費用の問題から一時は撤去も考えられたが、2015年8月に鉄道記念館がリニューアルされてからは、来館者が増加傾向になっていることから、網走市では「鉄道ファンや観光客は勿論、地域住民の方などが集う憩いの場を創ることによって、SL、客車のPR、鉄路の地方路線の存続・維持に繋がる」として、客車の整備事業を開始した。

今回は、屋根と車内の補修を行なう費用として総額169万8564円が追加で見込まれることから、そのうちの50万円をクラウドファンディングで募ることになった。

受付は8月14日24時までクラウドファンディングサイトの「ACT NOW」で行なわれている。この支援は、ふるさと寄附制度の取扱いとなるため、支援者には網走市から寄附受領証明書が発行される。

7月24日時点で目標額の10分の1が集まっているが、目標額に満たない場合でも支援金額は引き落とされ事業は続行、リターンも履行される。

今後のスケジュールについては、整備工事を8月までに行ない、9月8日に落成式を挙行。9月9・10日に開催されるサンゴ草まつりには車内を開放したいとしている。

《佐藤正樹(キハユニ工房)》

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