国土交通省港湾局は、国内68の港湾でコンテナヤードの舗装の隙間を埋める緊急工事に着手した。ヒアリは7都道府県、6港湾で発見されている。
緊急工事の対象となる68港湾は、中国との定期航路を有する港を中心に、環境省がヒアリが生息するとする地域と定期航路がある場所。港湾は地方自治体などが管理するが、ヒアリの定着を防止するために国が先導する。
コンテナの四隅には、積み重ねたコンテナの安定を図るための爪(突起)がある。コンテナが留め置かれるヤードはアスファルト舗装されているが、この爪が舗装に割れ目を作る。港湾で発見されたヒアリの中には、この割れ目から地面をたどったところを発見されたケースもある。緊急工事ではこうしたアスファルトの割れ目に営巣されないように舗装を修復する工事のほか、植栽などとの隙間を埋める工事も行う。
すでに工事を完了した横浜港では、24日にコンテナでできた割れ目の周囲約1メートル四方のアスファルトを撤去して、殺虫剤を噴霧。25日にアスファルトを敷き直した。
「恒久的な措置としては鉄板を敷くなどもあるが費用がかかる。使っていくうちに割れ目ができることは考えられるが、安価で効果的な対策を走りながら考えていく」(港湾局技術企画課)と、早期の対策を優先させたことを強調した。
ヒアリは5月26日に尼崎市内に運ばれたコンテナで発見され、6月9日に初めてヒアリであることが確認された。それ以後、神戸港、名古屋湊、大阪港、東京港、横浜港、博多港で確認された。港湾や湾岸エリア以外でも、7月10日には愛知県春日井市で、同25日には大分県中津市の運送業者の敷地で見つかっている。