【低音強化大全】サブウーファーのサウンドチューニング法、解説

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サブウーファーの取り付け例。トランクにサブウーファーボックスを設置し、トランクスルーから室内に低音を届けようとしたタイプ。製作:アークライド(千葉県)。
サブウーファーの取り付け例。トランクにサブウーファーボックスを設置し、トランクスルーから室内に低音を届けようとしたタイプ。製作:アークライド(千葉県)。 全 1 枚 拡大写真

クルマの中で良い音を楽しみ尽くそうと考えたとき、キーとなるのが“サブウーファー”だ。なぜこれが必要なのか、そしてこれを使いこなすためにはどうすると良いのかを、ここまで計6回にわたって解説してきた当シリーズ連載。今回は、その最終回をお届けする。

テーマは、「サブウーファーのサウンドチューニング法」。低音をコントロールするための調整方法を、じっくりと解説していく。

■まずは、「クロスオーバー」調整から始めよう!

早速本題に入りたい。サブウーファーを使用する際の、「サウンドチューニング」とは、どのような手順で行うと良いのだろうか…。

まず行うべきは、フロントスピーカーとの「クロスオーバー調整」だ。

「クロスオーバー調整」とは、フロントスピーカーとサブウーファーとの、“役割分担”を決めていく作業である。フロントスピーカー(ドアに取り付けられたミッドウーファー)に“ハイパス”をかけ、サブウーファーに“ローパス”をかけるのだ。

“ハイパス”とは、“ハイ(高音)”を“通す”というフィルターであり、言い換えれば、“ロー(低音)をカット”するフィルターである。つまり、ミッドウーファーに送り込まれる音楽信号の下側をカットする、という作業を行うのである。サブウーファーに対してはその逆となる、「高音をカットする」作業を行っていく。

この作業が必要となる理由はこうだ。もしも「クロスオーバー」をかけなかったとすると、同じ音が、ドアのスピーカーとサブウーファーの両方から出てくることとなる。そうなると音がダブり、ステレオイメージが崩れてしまう。状況をシンプルにさせたいのである。

前にもご説明したのだが、サブウーファーを導入する際に目指すべきは、“前方定位”。サブウーファーがシート下やラゲッジスペースに取り付けられていようとも、目の前から聴こえてくるようにサウンドセッティングしたいのだが、同じ音が2か所から聴こえてくると、その状態を作り出すことが相当に困難になってしまうのだ。

■“クロスポイント”は、ドアのスピーカーが高性能なら“低め”でOK。

ただし、お使いのシステムによって、どこまでこれを追い込めるかは異なってくる。メインユニットに「サブウーファーコントロール」機能が備わっていて、“ハイパス”と“ローパス”の両方を設定できるのなら、割とシビアにこれを追い込んでいける。

しかしながらメインユニットに「サブウーファーコントロール」機能が備わっていない場合には、「クロスオーバー」は、パワードサブウーファー、またはサブウーファーを鳴らすためのパワーアンプに搭載されている「クロスオーバー」でコントロールすることとなる。

そしてそのときに、フロントスピーカーを外部パワーアンプで鳴らしていなかったとすると、フロントスピーカーに対して“ハイパス”をかけることは不可能。その場合には潔く、サブウーファーに対してだけ、「クロスオーバー調整」を施そう。

続いては、具体的な運用方法を解説していく。問題となるのは、“クロスポイント”をどこにするか、であるのだが…。

これは使用しているユニットの性能や、取り付けの状態、そして、どんな音が欲しいか等々で都度、異なってくるので、完全なるマニュアルは存在しないのだが、目安としては、60Hz~80Hzくらいだろうか。

なお、ドアに取り付けてあるスピーカーが高性能であったり、ドアのデッドニングをしっかりと行えている場合は、“クロスポイント”は低めでOKだ。逆に、ドアのスピーカーが純正スピーカーであったり、デッドニングを施工できていない場合は、“クロスポイント”は上目のほうがいいだろう。ドアのスピーカーに多くを期待できないのと、低音でドアがビビってしまう可能性が高いので、ドアのスピーカーの仕事量を減らしてやったほうが賢明となるからだ。

ただし、ドアのスピーカーに“ハイパス”を掛けられない場合においては、サブウーファーの“クロスオーバー周波数”は、あまり上げないほうが無難だ。上げれば上げるほど、音が2重となる範囲が広がっていくので、コントロールするのが難しくなる。

ちなみに、一般的な4弦タイプのベースギターでは、最低音が4弦開放の「E」の音であるのだが、これは周波数で言うと「41.2Hz」。そのオクターブ上の音が「82.4Hz」。つまり、「クロスポイント」を「80Hz」あたりに設定したとすると、サブウーファーが担当するのは、4弦エレキベースの大体1オクターブ程度まで。というわけで、サブウーファーが担当する範囲には音階を表現する楽器の音は少ししか含まれない、ということも頭に入れておくと、チューニングに役立つはずだ。

■“位相切替”や“スロープ”等を駆使して、低音の“前方定位”を実現せよ!

「クロスオーバー」に続いては、「位相切替」を調整しよう。メインユニットに「サブウーファーコントロール」機能が付いていれば、そしてパワードサブウーファーを使う場合ならば、普通はこの「位相切替」機能がついているはずだ。

「位相」とは、“音波のタイミング”であるとイメージしていただきたい。そして「位相切替」をオン/オフすると、サブウーファーから発せられる“音波のタイミング”が真逆になる。そして、どちらにしたほうがフロントスピーカーが発する“音波のタイミング”とシンクロするかを感じ取ろう。バシッとシンクロすると、低音の“前方定位”が実現される。

また、もしもメインユニットやパワードサブウーファーに“スロープ切替”の機能が備わっていたら、“位相切替”と併せて、“スロープ”も切り替えてみよう。なぜならば、“スロープ”が変わると、“音波のタイミング”も変わるのだ。“位相切替”と“スロープ”を複合的に操作して、もっとも“前方定位”する組み合わせを探るベシ。

さらにメインユニットに「タイムアライメント」機能がついていれば儲けものだ。その場合は「位相切替」を試す前に、「タイムアライメント」の調整を行おう。リスニングポジションからサブウーファーまでの距離を測定し、その値をメインユニットに入力し、「タイムアライメント」の基本設定をした上で、「位相切替」、「スロープ切替」を操作し、そして「タイムアライメント」の微調整までを併せて実施して、もっとも“前方定位”する値を見つけていこう。

なお、音量(レベル)調整も抜かりなく行いたい。コツは、「サブウーファーから大きく音を出し過ぎないこと」だ。好みの問題でもあるので一概には言えないが、サブウーファーから大きな音が出るほどに、低音がサブウーファーから聴こえてきやすくなる。つまり、“前方定位”がしにくくなるのだ。せっかく導入したのだから、サブウーファーをがっつりと鳴らしたくなるところではあるが、サブウーファーの音量はほどほどにしておいたほうが、全体を整えやすい。

さて、いかがだったろうか。低音を強化すると、つまり、音楽の土台を整えると、中音から高音も美しく響くようになり、サウンド全体の厚みが増していく。まだサブウーファーを未導入であるならば、ぜひとも導入を検討していただきたい。今よりも音楽が楽しく聴けるようになるのは、間違いない。

低音強化大全! その7 サブウーファーのサウンドチューニング法、解説

《太田祥三》

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