地方公共交通のあり方、今後10年を見据えて---貨客混載や自動運転の活用

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路線バスを活用した宅急便輸送「貨客混載バス」
路線バスを活用した宅急便輸送「貨客混載バス」 全 2 枚 拡大写真

国土交通省は、今後10年を見据えた中長期的な視野から、地域公共交通の活性化・再生の取り組みの方向性を検討していた「地域公共交通の活性化及び再生の将来像を考える懇談会」が、提言をまとめたと発表した。

地域公共交通活性化再生法が2007年に制定されてから10年が経過し、地域公共交通をめぐる環境は、自動車運送分野を中心に、大きく変化しつつある。このため、地域公共交通の活性化・再生について、今後10年を見据えた中長期な視野から考えられる取り組みの方向性について議論するため、昨年6月に「地域公共交通の活性化及び再生の将来像を考える懇談会」を設置した。

これまでの議論を踏まえて今回、地域公共交通を活性化・再生するための今後の方向性をまとめた。

運転者不足対策としては、福利厚生面も含めた待遇改善、短時間勤務制度の導入、女性の活用など、志望者・採用者増加に向けた取り組みのほか、限られた人的資源を有効活用するための貨客混載やスクールバスなどの一体化を提言。

車両の老朽化対策では、地方公共団体による車両の保有(上下分離)促進、利用者ニーズに合致した新たな車両の開発・普及を求める。

自動運転の活用では、市街地や過疎地、観光地などの地域特性に応じた自動運転の実証実験を通じて、持続可能なビジネスモデルを検討することを求める。高齢者の移動手段の確保では、網形成計画を策定する際、高齢者の移動手段の確保に留意することとした。

また、公共交通の利便性を向上するため、経路検索などの全国網羅的な情報提供の実現とともに、地域公共交通マップで地域情報提供の充実を促進する必要があるとしている。病院やスーパー、観光施設や「道の駅」などへのバス停設置、上屋やベンチを整備することによる快適な待合環境の実現も求める。

地域公共交通ネットワークについては、交通圏全体を見据えた再構築が必要と指摘。このため、将来的な地域ビジョンを明確にしながら、交通圏全体を見据えた地域公共交通ネットワークの検証・再構築が必要としている。需要動向を見据えた上でふさわしい交通モード選択を図ることが重要で、利便性と効率性のバランスを見ながら持続可能性の向上を図る必要があるとしている。

《レスポンス編集部》

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