【スバル レヴォーグ STIスポーツ 試乗】ビルシュタインのダンピングが“1段上”の走りをもたらす…諸星陽一

試乗記 国産車
スバル レヴォーグ 2.0STIスポーツ
スバル レヴォーグ 2.0STIスポーツ 全 8 枚 拡大写真

大ヒットモデルであった『レガシィ・ツーリングワゴン』の後を継ぐという重責を担った『レヴォーグ』だが、順調に販売を伸ばし現在に至っている。

2014年の登場から3年余りが過ぎ、今回大幅なマイナーチェンジが行われた。レヴォーグは1.6リットルターボと2リットルターボの2種のエンジンが用意されているが、試乗した2リットルエンジン車はパワートレイン関係の変更は行われていない。もちろん内外装はブラッシュアップされたが、走りに関してはサスペンションなどシャシー関連の変更、「アイサイト・ツーリングアシスト」の新搭載などがおもなマイチェン内容となる。

サスペンションはダンパーの伸び側をフロント5mm、リヤ8mm伸ばしストロークを確保。フロントロアアームリヤ側のブッシュをピロボールからゴムブッシュに変更したほか、スタビライザー径も2mmダウンしている。STIモデルなのでもちろんダンパーはビルシュタインとなり、フロントはダンプマチックIIと呼ばれる微低速バルブ付きのものを採用している。

この微低速バルブ付きのダンパーの働きはかなり素晴らしい。サスペションの動きのなかで乗り心地を左右するのはダンパーの速い動きで、ダンパーの低速域はゆっくりしかし大きな入力に対する減衰力の確保の仕方がコーナリングの要となる。試乗コースには大きく回り込んだコーナーがいくつかあるが、そのどのコーナーでもしっかりとダンピングが効いた走りを味わうことができた。しかも、伸びと縮みが素早く変化するスラロームでも、しっかりとしたダンピングを生み出し、安心感にあふれた走りが可能だった。

新しいレヴォーグにはアイサイト・ツーリングアシストと呼ばれる進化したアイサイトを搭載。アイサイト・ツーリングアシストでは、従来の追従走行がさらに進化していて、例えば先行車が脇道に逸れ(高速道路走行中に流出し)ても、車線認識を優先しそのまま本線上を走り続けられるほか、レーンキープも無理なステアリング操作ではなく自然なフィーリングで通行帯のセンターを上手にキープして走る。

また後退時の自動ブレーキシステムが装備されたほか、フロント左右を広角画像で映像化して表示するフロントビューモニターや、バックミラーに後方視界を映像表示するスマートリヤビューミラーなど、安全装置も充実。リヤシートの可倒方式を従来の6対4から、センターアームレストスルーが可能な4対2対4の3分割タイプに変更、使い勝手を向上している。

1.6リットルモデルに比べパワー感、トルク感はこちらの2リットルモデルのほうが優れいているのでパワートレインの★印は5つとしたが、2リットルエンジンはハイオクガソリン仕様。経済性では不利になるので、オススメ度の★印は4つとした。

■5つ星評価
パッケージング:★★★★
インテリア/居住性:★★★★
パワーソース:★★★★★
フットワーク:★★★★
オススメ度:★★★★

諸星陽一|モータージャーナリスト
自動車雑誌の編集部員を経て、23歳でフリーランスのジャーナリストとなる。20歳代後半からは、富士フレッシュマンレースなどに7年間参戦。サーキットでは写真撮影も行う、フォトジャーナリストとして活動中。趣味は料理。

《諸星陽一》

諸星陽一

自動車雑誌の編集部員を経て、23歳でフリーランスのジャーナリストとなる。20歳代後半からは、富士フレッシュマンレースなどに7年間参戦。サーキットでは写真撮影も行う、フォトジャーナリストとして活動中。趣味は料理。

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