中国でも「セダン復権」はあるのか? 新型 カムリ・アコード の外観、中国人からは厳しい目

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トヨタ カムリ(写真は北米仕様)
トヨタ カムリ(写真は北米仕様) 全 14 枚 拡大写真

2017年7月、トヨタ自動車からは新型『カムリ』が、ホンダからは新型『アコード』が相次いで発表され、奇しくも「セダン復権」が日本の自動車業界で一大テーマとなった。

世界的に見ても、欧米をはじめSUV人気の高まりなどからセダン=スタンダードの図式は崩れつつある。この傾向は、世界最大の自動車市場である中国でも同様だ。

上海を拠点とする中国調査専業のインサイツは、今回発表された新型のカムリとアコードの米国仕様車とともに、現在中国のミドルセダン市場で人気の9車種について、中国人にその外観の格好良さやイメージを聞く調査を実施。「セダン復権」の可能性を占うレポートを発表した。

日本のセダンは「格好良さ」で低評価

調査は、インターネットで中国人1000人に対して、9車種それぞれの写真を示し、質問に回答してもらう形式で行ったもの。

中国語で行われた実際の調査画面では、車種名・メーカー名を出さずに、それぞれのフロントとリアの2枚の写真だけを表示。カムリとアコードは今回発表された北米仕様車のものを、それ以外は、現在実際に販売されている最新車種の写真が使われた。

対象車種は、モンデオ(フォード)、ビュイック リーガル(GM)、カムリ(トヨタ)、パサート(VW)、ティアナ(日産)、ソナタ(ヒュンダイ)、アコード(ホンダ)、アテンザ(マツダ)、アウディA4L。
中国でのセダン外観イメージ「格好良い」評価
9車種それぞれについて、単純に「格好良い」かどうかを5段階で評価した。「非常に格好良い」で最も多くなったのは、ビュイック リーガル。「まあ格好良い」とも合わせた合計では、モンデオが数値が最も高くなった。

「非常に格好良い」では、ビュイックが28.5%に対して、カムリは23.7%、アコードは25.5%。日系車では、アテンザが27.9%と最も高くなった。

「まあ格好良い」との合計では、モンデオが74.6%に達し、ビュイックが72.5%だったのに対して、カムリは68.0%、アコードは71.3%となった。カムリのこの数値は、9車種中下から二番目の低い数字。

カムリの場合、「どちらとも言えない」が21.4%と、9車種中最も高くなっており、この中間回答に答えが集中した形。

また、「あまり格好良くない」「全く格好良くない」の合計というマイナス評価では、カムリ、アコード、ティアナという日系3車種だけが2ケタに達した。最もマイナス評価を受けなかったのは、やはり日系車のアテンザで、7.6%にとどまった。

カムリは、車本来の格好良さを追求したというのが、今回の大きなコンセプトの一つ。評価対象が北米仕様車だったとはいえ、世界最大の市場の消費者である中国人にとっては、そこまでの「格好良さ」を示し得ていない可能性がある、ということが分かった。

カムリは「ダイナミックな」「情熱がある」と評価

また、今回の調査では、中国における自動車の外観評価でよく用いられる10のイメージワードに対して、やはりそれぞれの車種に対して5段階評価で中国人1000人に聞いている。

イメージワードは、尊貴な(尊貴)、堂々とした(大気)、上品な(典雅)、大らかな(大方)、ダイナミックな(動感)、情熱がある(激情)、強いオーラがある(霸気)、スーパーな(超級)、ステータスある(地位)、格調のある(格調)。

この中で、カムリは、「ダイナミックな」「情熱がある」での評価で高い数値となった。ただし、モンデオやビュイックにおいて数値が高い「尊貴な」「堂々とした」「上品な」などの項目では低い数値にとどまった。
中国でのセダン外観イメージ「動感」(ダイナミックな)評価
中国でのセダン外観イメージ「大気」(堂々とした)評価
また、アコードでは、「堂々とした」「大らかな」などの数値が高くなったものの、「ダイナミックな」「情熱がある」などで数値が伸びなかった。

今回の調査ではあくまでも車の外観だけの評価であり、それぞれの車種の総合的な評価ではない。ただし、外観は車種選定において大きなウェイトを占めているのは間違いない。

今回の調査では、世界最大の自動車市場、そのミドルセダンの分野において、中国での外観評価は日系車にとっては比較的厳しめの評価が出たといえそうだ。

インサイツでは、今回の調査結果をまとめた簡易レポートを無料で配布している。
問い合わせ窓口:bom@insightsresearch.cn(日本語可)

《レスポンス編集部》

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