JR東日本新潟支社は8月31日、同支社で運用している115系の「一次新潟色」を復刻すると発表した。9月30日と10月1日には、信越本線の開業120周年を記念した旅行商品向けの団体臨時列車『115系信越120th(120周年)』で運用される。
『115系信越120th』の運行時刻は、往路が新潟9時26分発~直江津12時40分着、復路が直江津15時56分発~新潟18時00分着。途中、新津・東三条・長岡・柏崎各駅に停車する。車両は115系の3両編成だが、車体は白・青・赤3色の「一次新潟色」を復刻した塗装になる。旅行代金(新潟駅発着)は大人6800円・子供4300円。
■国鉄からJRへの移行期に登場した塗装
新潟地区の普通列車用の電車は、赤と黄色の2色で塗装された「初代・新潟色」の旧型車両が使われていたが、1970年半ばには北関東で運用されていた115系が転属。続いて115系に耐寒耐雪仕様を加えた115系1000番台が大量に新造投入され、旧型車両を置き換えた。
車体の塗装は当初、他の地区の115系と同様、「湘南色」と呼ばれる緑とオレンジの2色だった。分割民営化直前には、新潟地区の独自塗装として「一次新潟色」が登場。「雪を表す白いボディに日本海の青と県花の雪椿を表した赤のラインを施した独自のカラー」(新潟支社)に塗り替えられた。この塗装は後に新潟地区の気動車でも採用されたが、115系は白・赤・黄3色や白・緑・黄緑3色などの塗装に変わり、一次新潟色は115系からは姿を消した。
115系も老朽化が進んでおり、2014年12月に新潟地区用の新型車両としてE129系電車がデビュー。同車が順次増備されるのに伴って115系は数を減らしており、まもなく全車引退するとみられる。今年1月には、115系1000番台のN3編成(3両)が赤と黄色の「初代・新潟色」に塗り替えられたが、新潟支社は115系の「一次新潟色」についても、現存する当時の設計図を使用して復刻することを決めた。