線路も道路も走る…阿佐海岸鉄道が初のDMV運転士を養成へ

鉄道 企業動向
JR北海道が2015年に実用化を断念したDMVだったが、遠く離れた四国で2020年に実用化される運びとなっている。今回、それを視野に阿佐海岸鉄道が2人の運転士を募集する。
JR北海道が2015年に実用化を断念したDMVだったが、遠く離れた四国で2020年に実用化される運びとなっている。今回、それを視野に阿佐海岸鉄道が2人の運転士を募集する。 全 1 枚 拡大写真

徳島県海陽町の海部駅と高知県東洋町の甲浦(かんのうら)駅を結ぶ、阿佐東線を運営する阿佐海岸鉄道は、DMV(Dual Mode Vehicle)の運行へ向けた運転士を募集している。

DMVは、ローカル線の経営合理化を図るために考案された、軌道と道路の両方を走行することができる鉄道車両で、JR北海道が開発。2004年から2008年にかけて、三次にわたる試作車が登場した。

しかし、2011年以降に多発したJR北海道の事故を受けて、安全性向上が優先されることになったことから、2015年にはJR北海道での実用化が断念された。

一方、DMVの技術は、今後の地域交通を占う意味で有用であることから、南阿蘇鉄道や天竜浜名湖鉄道、阿佐海岸鉄道、明知鉄道といった、JR北海道以外の鉄道でも試験が行なわれた。

なかでも、阿佐海岸鉄道は実用化に向けて熱心に取り組み、2017年2月には関係自治体などからなる「阿佐東線DMV導入協議会」で導入計画が承認され、2020年に向けて実用化されることになった。

今回の運転士募集はそれを受けてのもので、おもな応募条件は、20歳以上の高校卒業者で、2017年11月1日から勤務可能な人。2018年に中型二種免許の取得条件を満たす人が望ましいとしている。未経験者も応募できる。

9月下旬には一次試験として筆記試験と面接を実施。10月上旬には二次試験として適正検査が行なわれる予定。10月15日には合格者が選考される。

阿佐海岸鉄道のDMV運行計画では、定員20~30人程度のDMV車両を3両導入し、JR四国の阿波海南駅(海陽町)から甲浦駅まで鉄道を、甲浦駅から室戸市まで道路を走行するとしている。1駅間のみJR牟岐線にも乗り入れるため、JR四国とも協議を進めるという。

《佐藤正樹(キハユニ工房)》

【注目の記事】[PR]

ピックアップ

教えて!はじめてEV

アクセスランキング

  1. 「やっと日本仕様が見れるのか」新世代ワーゲンバス『ID. Buzz』ついに上陸! 気になるのはサイズ?価格?
  2. 最後のフォードエンジン搭載ケータハム、「セブン 310アンコール」発表
  3. 史上最強のVW『ゴルフGTI』、6月20日デビューを予告
  4. 「三菱っぽくないけどカッコいい」ルノーの兄弟車となる『エクリプス クロス』次期型デザインに反響
  5. 宮崎「シーガイア」にサーキットがオープン! セグウェイの「電動ゴーカート」を日本初導入
ランキングをもっと見る

ブックマークランキング

  1. 米国EV市場の課題と消費者意識、充電インフラが最大の懸念…J.D.パワー調査
  2. 低速の自動運転遠隔サポートシステム、日本主導で国際規格が世界初制定
  3. 「やっと日本仕様が見れるのか」新世代ワーゲンバス『ID. Buzz』ついに上陸! 気になるのはサイズ?価格?
  4. BYD、認定中古車にも「10年30万km」バッテリーSoH保証適用
  5. 「あれはなんだ?」BYDが“軽EV”を作る気になった会長の一言
ランキングをもっと見る