カーオーディオの“分かりにくさ”を“分かりやすく”解説…メインユニット交換

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1DINメインユニットの取り付け例。製作:カーオーディオプロショップ エモーション。
1DINメインユニットの取り付け例。製作:カーオーディオプロショップ エモーション。 全 1 枚 拡大写真

純正カーオーディオの音に不満を持ち、なんとかしたいと思っていても、「カーオーディオは分かりにくい…」とシステムアップすることをためらっている方は少なくないようだ。そんな方々に向けて、“分かりにくさ”を解消していただくための短期集中連載をお届けしている。

第5回目となる今回は、「メインユニット交換」について考察していく。

■「メインユニット交換」で得られるメリットは2とおりがある…。

ひと昔前ならば、カーオーディオの初めの1歩と言えば「メインユニット交換」だったのだが、最近はそこまでスタンダードな方法ではなくなった。そのようになった原因はズバリ、「純正メインユニット」が取り外しにくいクルマが増えてきたから」である。

しかしながら、これが可能なクルマにおいては、この選択肢は未だに魅力を失ってはいない。

ちなみに、「メインユニット交換」をして得られるメリットは、大きくわけて2とおりがある。1つは「サウンドクオリティが上がること」、もう1つは「使い勝手が上がること」。後者は音についての話ではないが、「使い勝手の向上」も見逃せない変化であることは事実なので、併せてご紹介していきたい。

では早速、「メインユニット交換」の“わかりにくさ”がクリアになるように、利点のそれぞれがどのように実現されるのかをケースごとに検証していこう。

ケースは大きくわけて2とおりがある。1つは「AV一体型ナビは必要ない」というケースであり、もう1つは「AV一体型ナビは必要」というケースだ。

まずは前者について考えていこう。この場合、ターゲットとなる「メインユニット」は2タイプ。1つが「1DINメインユニット」で、もう1つが「2DINメインユニット」だ。要は大きさ違いで2タイプが存在している、というわけだ。

■サウンドクオリティを上げたいと思うなら、「サウンドチューニング機能」をチェック。

サウンドクオリティを上げようとするならば、「1DINメインユニット」を選ぶべきだ。同タイプの中には、“サウンドチューニング機能”が充実したモデルがあり、それを使いこなせば、仮にスピーカーが純正のままであったとしても、聴こえ方をガラリと変えることが可能となる(スピーカーケーブルを引き直す必要はある)。

といいつつも、現在は「サウンドチューニング機能」が充実したモデルは種類が少ない。具体的に挙げると、カロッツェリアの『DEH-P01』(税抜価格:10万円)、または同じくカロッツェリアの『DEH-970』(税抜価格:3万5000円)。これらはサウンドチューニング機能が優れているばかりか、内蔵(同梱)パワーアンプの性能もなかなかに優秀だ。コストパフォーマンスは相当に高い。

ここまでの出費がためらわれる場合には、これらよりも廉価なモデルの中から選ぶことになるのだが、そうなると高度な「サウンドチューニング機能」は諦めざるを得なくなる。しかしながら、「使い勝手を上げる」ことは可能だ。

どのように「使い勝手が上がる」のかというと、対応するデータファイル形式や、SDカードが使えるか否か、Bluetoothが使えるか否かをチェックすることで、これまで聴けなかったファイルが聴けるようになったり、ワイヤレス化が行えたりする。こうして利便性が上がる、というわけだ。

なお、「対応メディア」を絞り込んでいくことで、予算を削減することも可能となる。機種によっては、1万円を割り込むモデルまである。使い心地を上げることだけを考えた場合には、少額の投資でそれを完結できるのだ。

■「2DINメインユニット」で注目すべきは、「ディスプレイオーディオ」

続いては「2DINメインユニット」について考えていこう。もしもセンタークラスターパネルに2DINスペースが空いているというのなら、このタイプを選べば、空きスペースをメカで埋め尽くすことが可能となる。

なお、「2DINタイプ」では、「サウンドチューニング機能」が充実している機種は少ない。しかし、「使い勝手」を上げられる機種はある。注目株はズバリ、「ディスプレイオーディオ」。フェイスパネルにモニターが搭載されている、いわば、「AV一体型ナビ」からナビ機能を抜いたようなタイプのユニットである。

このタイプのモデルが出現する前は、「AV一体型ナビは要らない」と考えると、ナビと同時にモニターも失うこととなっていた。モニターがなくなると、映像系ソースが楽しめなくなるばかりか、バックカメラも使えなくなる。しかし「ディスプレイオーディオ」ならばそうはならない。「AV一体型ナビは不要だがモニターはほしい」と思うなら、選択肢はこれにて決定だ。

しかしながら、モニターが搭載されている分、価格はそれなりに上がってしまう。というわけなので、予算軽減を重視するならば、モニターが装備されていない、従来型から選ぶこととなる。こちらもメディア対応が広がってきているので、最新機種に換えれば使い勝手は上がるはずだ。

■「AV一体型ナビ」選びのポイントは「サウンドチューニング機能」と「ハイレゾ対応」

続いては、「AV一体型ナビは必要」と考える場合についてみていこう。これについては、「音が良くなる」というメリットに絞って解説していく。

チェックポイントは主に2点。1つが「サウンドチューニング機能が充実しているか否か」、そしてもう1つが「“ハイレゾ音源”に対応しているか否か」だ。

「サウンドチューニング」機能が優れたモデルを選択すると、“ステレオイメージ”の再現性を向上させることが可能となるのだが、それを実現させるキーとなるのは、「タイムアライメント機能」だ。しかも、トゥイーター、ミッドウーファー、それぞれを個別にコントロールできるタイプの「タイムアライメント機能」を搭載している機種ならば、その効果がいかんなく発揮される。

具体的な機種名を挙げると、人気が高いのはやはり、『ダイヤトーン・サウンドナビ』だ。当機の場合は、純正スピーカーのままでも、詳細なコントロールが比較的に簡単に実行できる(スピーカーケーブルの引き直しも必要ない)。さらに当機は、“ハイレゾ音源”の再生も可能だ。サンプリング周波数はダウンコンバートされるものの、そもそもの音の素性が高いこともあり、“ハイレゾ音源”の良さをしっかり再現してくれる。

なお、カロッツェリアの『サイバーナビ』の今年モデルも、なかなかの注目株だ。今年モデルからはいよいよ“ハイレゾ音源”のネィティブ再生にも対応し、さらには「サウンドチューニング機能」も一段と充実している。カロッツェリアといえば、ハイエンドカーオーディオシステム『カロッツェリアX』を擁しているが、最新の『サイバーナビ』には、『カロッツェリアX』の特長がふんだんに注入されている。音にこだわるのであれば、『サイバーナビ』の最新モデルにも注目すべきだろう。

今回は、ここまでとさせていただく。次回は、「プロセッサーの導入」についての“わかりにくさ”の解消を目指していく。お楽しみに。

カーオーディオの“分かりにくさ”を“分かりやすく”大解説 その5「メインユニット交換」

《太田祥三》

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