日本一のプロショップに訊く「楽しさの真髄と、未来のカーオーディオ」

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サウンドステーション AV関西 堺店。
サウンドステーション AV関西 堺店。 全 7 枚 拡大写真

去る2017年7月22日、23日の両日にわたり、静岡県の『ツインメッセ静岡』にて、『第3回 ハイエンドカーオーディオコンテスト』が開催された。全国から200台を超える本格カーオーディオシステム搭載車が集まり、その完成度の高さが競われた。

ジャッジを務めるのは著名オーディオ評論家の方々。取り付け技術、サウンドチューニング技術が問われるのはもちろん、再現力や表現力、つまりは芸術性までもが厳しくチェックされていく当コンテスト。

この中で、もっとも白熱するクラスの1つが、『ディーラーデモカー部門 ディーラーデモカークラス』だ。その他はユーザーカーでクラスが形成されるのだが、当クラスだけは、各プロショップ所有のサウンドデモカーによりバトルが展開されていく。カーオーディオのサウンドコンテストは年間でいくつもが開催されるが、“プロショップ同士”が真っ正面から競い合うのは、この大会の当クラスのみ。白熱するのも当然の成り行きなのだ。

そんな熱き闘いを制して“第1位”の栄誉に輝いたのは、大阪府・堺市に店舗を構える全国屈指の実力店、『サウンドステーション AV関西 堺店』の「BMW・X4」。

この結果を受けて今回は、同店を率いる岩元秀明氏に改めて、カーオーディオの楽しさの真髄、現状、そして、未来への期待感までを、じっくりとお訊きしてきた。

■音源に収められたままの音を出し、その上で、自分のイメージに近づくように練り上げる。

最初に、氏が考える“カーオーディオの楽しさの真髄”についてお訊きした。

「自分がイメージする究極の音にもっとも近づけられるのが、カーオーディオなのかな、と思うんです。ホームオーディオでもヘッドフォンでも、そしてカーオーディオでも、パーフェクトなものには到達しえない。そもそも録音されたものは、エンジニアによって作られた音でもありますし。

では、生演奏はどうかというと、それも違う。ライブや演奏会にはよく行きますが、ホールに行って聴いても、違うんです。頭の中で描いている曲とは。ホールの中に観客が自分1人、もしくは適正人数しか入っていなくて、特等席で聴けたのなら、究極に出会えるのかもしれないけれど、そういうわけにもいきまません。

ならば、最後の部分でアレンジを加えられるカーオーディオが、もっとも自分のイメージに近づけられるんじゃないかな、と。もちろん、音源に入っている音をそのまま出すことは大前提です。その上で、の話です。その上でその人の好みに合わせる必要がある。それができるのが、カーオーディオの醍醐味だと思うんです。

とはいえ、もっとも感動できるのは生演奏なのですが。伝わるものがある。目から入ってくる情報と、その場の空気、ムード、全部が加味されて心が動かされるんでしょうね」

■良い音を得るためのハードルは、確実に下がっている。

続いては、カーオーディオの現状についてお訊きした。

「カーオーディオを取り巻く状況は、例えば10年前と比べて、確実に良くなっていると感じています。全体的にカーオーディオ・プロショップの技術レベルが上がっていますし、何より、製品が進化していて、コストパフォーマンスが高くなっている。最新の、パワーアンプを内蔵したプロセッサーとかを使ってみると、もうこれでいいじゃないかと思えるほどの音が聴けますし。究極を目指される方はそれでは納得されませんが、そうでなければそれらでも案外満足できるんです。

現代を闘っているメーカーは、ここ10年で目覚ましい進化を遂げています。そういったメーカーの製品ならば、手頃なモデルであっても音が良い。良い音を手にできるハードルは、確実に下がっていますよね。

ところで最近は、“復活組”の方々がご来店されるケースが増えてきました。そのような方々は、良い音が聴けるシステムは高額だ、というイメージを持たれていたりもするのですが、手頃な製品で良い音に仕上げるとびっくりされて、そしてとても喜んでくださいます。

一部の高級車にプレミアムオーディオがオプション設定されていますが、そのくらいのご予算をイメージされているのなら、ぜひ、専門店に足をお運びいただきたいですね。同等の予算で、想像以上の音が得られるはずです。現在の市販製品と専門店のバリューを、1人でも多くの方にご体験いただきたいと思っています」

■自動運転とともに、ブルーレイ対応の7.1chシステムが登場して…。

さらには、岩元氏のイメージする“未来のカーオーディオ”についてもお訊きした。

「2020年には、ある程度の自動運転が実現すると思います。いろいろな企業が、一生懸命にそれに向かって技術開発を進めていますから。未来と言うよりも、間近な話なのですが。

そうなったときにもう1度、カーオーディオのブームがやって来るのかな、という期待感は持っています。

自動運転とともに、ホームオーディオの“AVアンプ”のような、ブルーレイに対応する最新フォーマットの7.1chシステムが登場すれば、もしかすると…。

2020年の段階で、ステアリングから手を離せるところまでいけるのかはわかりませんが、いずれは寝ていても目的地に着けるようなレベルにまで進化するはずです。夢がありますよね。そのときには、カーエンタテインメントのあり方も変わってくると思います」

最後に、岩元氏自身の将来のビジョンをお聞きした。

「先日、とあるお客様にこんなことを言っていただけました。『退職後にはずっと憧れていたクルマを買って、ここで薦められるままのフルシステムを組みたい。それに乗るのが夢なんです』と。そんな風に思っていただけるなんて光栄ですし、とてもうれしく思いました。本当に有り難い話です。

このように言ってくださるお客様をどれだけ増やせるか。そしてそういったお客様のご要望にいつまでもお応えできるように、今後もこの事業を継続していきたいと思っています。

ゆくゆくは、趣味としてこれに没頭したいと思っているんですよ。お店の運営は任せて、自分は商売とは関係なくお客様のクルマを触らせていただく。音楽もカーオーディオもホームオーディオも、好きなんですよ。永遠にやり続けたいですね。音楽とオーディオが好きな方々と、息の長いお付き合いができたらうれしいですね」

ちなみに氏はインタビューの中で、「音楽が好き」であることがすべての根幹であると話していた。ゆえに、音楽好きの度合いが高いお客様が訪れるとうれしくなるとも語ってくれた。

もしも、音楽が好きで、クルマので良い音に浸りたいとお考えならば、『AV関西』を気軽に訪ねてみてはいかがだろうか。同店に行けば、音楽好きの心が満たされることは、間違いない。

日本一の“プロショップ”に訊く。「楽しさの真髄と、未来のカーオーディオ」とは…。

《太田祥三》

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