【システム構築術研究】内蔵アンプシステムA編

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市販メインユニットの装着例。制作ショップ:ワープス。
市販メインユニットの装着例。制作ショップ:ワープス。 全 1 枚 拡大写真

カーオーディオの楽しみ方にはいろいろなアプローチがある。ライトなシステムで気軽に楽しむ人もいれば、大がかりなシステムを構築して究極を追求する人もいる。そして、それぞれのアプローチごとで、それぞれに“楽しみ方のコツ”がある…。

そこのところを深掘りすべく、当短期集中連載をお届けしている。第2回目となる今回は、「内蔵アンプシステムA」として、「メインユニットの内蔵アンプでシステムを組もうとするとき」について考えていく。

■「内蔵アンプシステムA」は、3つのタイプに大別できる。

前回は、純正メインユニットのままスピーカー交換だけを行うという、もっともライトなカーオーディオシステムについて解説した。今回は、そこから一歩踏み出して、スピーカーを交換しつつ、さらにはメインユニットまでもを交換して構築する、「市販メインユニットを用いた内蔵アンプシステム」について考えていく。

なお、「内蔵アンプシステム」というと、「パワーアンプ内蔵型DSP」を用いてこれを構築するケースもある。今回は、それを切り離して考える。であるのでタイトルを「内蔵アンプシステムA」とした。つまりこれは、「市販メインユニットを用いた内蔵アンプシステム」と、ご理解いただきたい。

さて、「市販メインユニットを用いた内蔵アンプシステム」には、主に3つのタイプが存在している。1つ目が、「スタンダードなオーディオメインユニット」を使うタイプ、2つ目が「スタンダードなAV一体型ナビ」を使うタイプ、そして3つ目が、「ハイエンドメインユニット」を使うタイプ、以上だ。

ちなみに3だけは、他とはひと味違ってくる。このタイプのみ、サウンドクオリティをより大きく向上させることが可能となるのだ。その理由は、「高機能な“プロセッサー”も内蔵されているから」だ。パワーアンプこそ非力だが、コントロール能力については大がかりなハイエンドシステムと同等のものが確保されることとなる。だからこそ、「ハイエンドメインユニット」と呼ばれるわけなのだ。

さらにいうと、「ハイエンドメインユニット」の内蔵アンプは、出力は小さいながらも“質”はなかなか。大音量で鳴らそうとすると物足りなさを感じることもあるかしれないが、通常のボリュームであれば不足を感じることはないはずだ。

というわけで、実際のところは3だけは“別格”ではあるのだが、今回は敢えて、1から3までをひとくくりとしての“楽しみ方のコツ”を解説していく。

■「内蔵アンプシステムA」においての“鉄板”なシステムアッププランとは…。

では、「メインユニットを用いた内蔵アンプシステム」においての、“楽しみ方のコツ”の解説に入っていこう。まずは、せひとも取り組みたいことから解説していく。それは、「スピーカーケーブル交換」だ。もしもスピーカーをトレードインで交換し、そのときに純正のケーブルをそのまま使ったというならば、早い段階でぜひ、「スピーカーケーブル交換」に取り組もう。

ケーブルは実は、“一種のカーオーディオユニット”と捉えるべき存在である。他のユニットとは異なり“メカ”ではない。言ってしまえば単なる“部材”であるのだが、サウンドクオリティへの影響はかなり大きい。高額なケーブルを選ぶと、パワーアンプと同等の予算がかかってしまうケースも出てくるが、それに見合った結果が期待できる。まるでパワーアンプを新調したかのような音質の変化を、体感できるはずである。

導入したスピーカーが廉価なタイプだった場合にも、「スピーカーケーブル」の質を上げることで仕上がりのサウンドクオリティを上げることは、もちろん可能だ。とにもかくにも、純正のスピーカーケーブルには多くを望めない。せっかくスピーカーを交換したのなら、その性能を味わい尽くすためにも、「スピーカーケーブル交換」は必要なのだ。

ところで、「スピーカーケーブル交換」については、こんな裏ワザも存在している。それは、「部分的に超高級ケーブルを使う」というものだ。セオリーからいうと、ケーブルを途中で継ぎ足すのはNGだ。接点が増えることには害こそあれ、利点は1つもないのであるが、その禁を破り、部分的に超ハイエンドなケーブルを割り込ませてみると…。

これでも音は変わってくる。超ハイエンドケーブルの色がサウンドに付加されることとなるのだ。

この方法はあくまでも“裏ワザ”であるので、すべての方にお薦めできるものではないのだが、ご興味があれば試してみても面白い。組み入れる超高級ケーブルの長さは、数十センチはあったほうが良く、しかも、左右で同じ長さを継ぎ足す必要がある。“邪道”ではあるが、参考程度にご紹介させていただいた。

■さらには「電源強化」も、“内蔵アンプシステム”の音質向上を実現!

「市販メインユニットを用いた内蔵アンプシステム」を楽しみ尽くそうとするときのコツは、実はもう1つある。それは何かと言うと…。

答はズバリ、「電源強化」だ。内蔵アンプももちろん、音楽信号を増幅すべく懸命に働いている。その働きをサポートしてやれば、一定のサウンド向上が期待できるのだ。

具体的な方法は2つある。まずお薦めなのは、「バッ直」だ。「メインユニット」へのプラス配線を、車両のメインバッテリーから直に引っ張っぱろうとする作戦だ。

これを実行することで、カーオーディオメインユニットへの電源供給の安定化が図られる。他の電装品の使用状況に影響されることを少なくできるのだ。これはなかなかに音に効く。

そしてもう1つが、「キャパシターの追加」である。音楽は、瞬間瞬間で必要となる電気の量が変化する。特に、大きな音量で低音が鳴らされるときなどは、かなりの電気が必要となる。結果、瞬間瞬間の電力不足が、常に起こり得ているのであるが…。

しかし、「キャパシター」があれば安心だ。「キャパシター」が、瞬間的な電力不足を補ってくれるようになるからだ。

ちなみに、「キャパシター」にもいろいろな種類がある。メインユニットに用いようとする場合には、それ専用のモデル、もしくは、容量が小さめのもので大丈夫だろう。また、インストール性も考慮すると、大き過ぎるものは導入しづらい。容量と大きさを鑑みながら、現実的なモデルを選びたい。

さて、今回はここまでとさせていただく。次回は、「パワーアンプ内蔵型DSPを用いての内蔵アンプシステム」について、その“楽しみ方のコツ”考察していく。お楽しみに。

内蔵? パッシブ? マルチ? 『システム構築術研究』その2「内蔵アンプシステムA」編

《太田祥三》

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