ZF、EUの超小型EVプロジェクトに参画…4点式シートベルトとエアバッグを新開発

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ZFは、超小型EVによる都市部短距離移動を検証するEUの「プロジェクト・ベヒクル(BEHICLE)」に参画し、4点式シートベルトとサイドおよびカーテンエアバッグを新開発した(一部既報)。

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マイクロモビリティ市場では、「L7e」と呼ばれる最高出力15kW、最大重量400kgの市街地向け車両のニーズが最も高い。しかし、乗員保護に課題があり、これまでユーロNCAPで2つ星を超える評価を獲得したモデルはなかった。今回のプロジェクトで使用する3人乗りの超小型EV「BEHICLE」は、同カテゴリー初のユーロNCAP 5つ星獲得を目指して設計。ZFは4点式シートベルトとエアバッグシステムの開発と車両への搭載、およびシミュレーションやテストなど、重要な役割を担った。

乗員保護システムの設計にあたり、BEHICLEの特徴である中央に位置する運転席やBピラーレスの構造は大きな課題となった。ZFは、4点式シートベルトとカーテンおよびサイドエアバッグを特別設計することで、この課題を解決した。

トップベルトとして設計した4点式シートベルトは、通常の3点式よりも保護性能が向上。テンショナーとベルトフォースリミッターを統合した2つのリトラクターを、BEHICLEのリアルーフに取り付けるというユニークな方法が採用した。2つのタングプレートは運転者頭上から前方外側に突き出て、ヘッドライナーから簡単に引き出すことができる。運転席の左右に取り付けられたバックルは、照明によって見つけやすい工夫を施した。また、DLT(ダイナミック・ロック・タング)の採用によって、事故発生時、乗員の胸部や肩にかかる拘束力を骨盤周辺よりも下げ、シートベルトによる怪我を防止する機能も備えている。

サイドエアバッグは通常、シートのバックレストに装着されているが、BEHICLEではアルミのドアビームに取り付け。運転席が中央に位置するためドアとドライバーが通常のクルマよりも離れていることと、シートに合わせて長さを調整しないという要素も考慮に入れた設計となっている。さらにAおよびCピラーに装備された外部保持ストラップ付のカーテンエアバッグは、側面衝突時に乗員を効果的に保護。ZFの衝突安全システムは、BEHICLEプロジェクトに参画したパートナー各社が取り組んだフロント部、キャビンおよびドアの安全設計をさらに強固なものにしている。

《纐纈敏也@DAYS》

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