【ヤマハ MT-10 試乗】そのバイク、凶暴につき…青木タカオ

モーターサイクル 新型車
ヤマハ MT-10
ヤマハ MT-10 全 30 枚 拡大写真

ロボットみたいなフロントマスクで、“戦隊モノ”特撮テレビドラマやSF映画に出てきそうな近未来的なデザイン、ヤマハ『MT-10』だ。

見た目からして凶暴そうだが、ポテンシャルもまたスゴイとしか言いようがない。エンジンとシャシーは、サーキットでのパフォーマンスを追求した同社スーパースポーツモデルの雄『YZF-R1』譲り。ヤマハのレーシングテクノロジーが惜しみなく注ぎ込まれている。

それなりに覚悟して走り出してみると、予想に反して乗りやすい。前後サスペンションはカチカチに硬く、スピードを出して負荷をかけないと動かないっていうレーシングバイク然としたものではなく、ゆっくり走っても滑らかにストロークする味付け。

160PSを発揮する1000ccエンジンもアクセルを大きく開ければ、超絶ダッシュでたちまちすべてのものを置き去りにしてしまうが、クルマの流れに乗って街乗りしていても楽しいと乗り手に感じさせる低中回転重視のセッティング。サーキットではなく、公道で楽しめるオートバイに出来上がっている。

それもそのはずで、『MT-10』は新しいスポーツバイクの流れを作ったヤマハ「MTシリーズ」のフラッグシップモデルであり、そのコンセプトは「トルク&アジャル(軽快)=誰もが操れる」というもの。

『MT-10』もまた意のままに操れる軽快なハンドリングを持ち、その超絶パワーをストリート性能を優先して“使える”ようにしてくれてあるのだ。

扱いやすさを後押ししてくれるのが、エンジン特性を3つのモードから選べる「D-MODE」であったり、スリップを未然に防ぐ「TCS(トラクション・コントロール・システム)」など先進的な電子制御システムたち。

“素”のままでは恐ろしいモンスターマシンも、こうした最先端技術の力を借りて手懐けちゃうのが今どきなのかもしれない。なんて思いつつ、安心してライディングを楽しむことができた。

■5つ星評価
パワーソース:★★★★★
フットワーク:★★★★
コンフォート:★★★★
足着き:★★★★
オススメ度:★★★★

青木タカオ|モーターサイクルジャーナリスト
バイク専門誌編集部員を経て、二輪ジャーナリストに転身。自らのモトクロスレース活動や、多くの専門誌への試乗インプレッション寄稿で得た経験をもとにした独自の視点とともに、ビギナーの目線に絶えず立ち返ってわかりやすく解説。休日にバイクを楽しむ等身大のライダーそのものの感覚が幅広く支持され、現在多数のバイク専門誌、一般総合誌、WEBメディアで執筆中。バイク関連著書もある。

《青木タカオ》

モーターサイクルジャーナリスト 青木タカオ

バイク専門誌編集部員を経て、二輪ジャーナリストに転身。多くの専門誌への試乗インプレッション寄稿で得た経験をもとにした独自の視点とともに、ビギナーの目線に絶えず立ち返ってわかりやすく解説。休日にバイクを楽しむ等身大のライダーそのものの感覚が幅広く支持され、現在多数のバイク専門誌、一般総合誌、WEBメディアで執筆中。バイク関連著書もある。

+ 続きを読む

【注目の記事】[PR]

ピックアップ

教えて!はじめてEV

アクセスランキング

  1. 21車種・64万台超、トヨタ自動車の大規模リコールに注目集まる…7月掲載のリコール記事ランキング
  2. 約10万円で200km以上走るEVバイク登場に「現実的な選択肢」、ベトナムから日本上陸に期待の声
  3. ホンダ『プレリュード』新型、ホームページで先行公開…発売は9月
  4. スバル『フォレスター』に早くも「理想の姿」と話題の特別仕様、「最初から出してよ!」の声も
  5. ホンダ『N-ONE e:』の価格を予想、280万円台からか…実質ガソリンモデル並み?
ランキングをもっと見る

ブックマークランキング

  1. 「AIディファインド」の衝撃、日本の自動車産業は新たな波に飲み込まれるのか…アクセンチュア シニア・マネジャー 藤本雄一郎氏[インタビュー]
  2. ブレンボが新ブレーキ開発、粒子状物質を削減…寿命も最大2倍に
  3. SUBARUの次世代アイサイト、画像認識技術と最新AI技術融合へ…開発にHPEサーバー導入
  4. EV充電インフラ-停滞する世界と“異常値”を示す日本…富士経済 山田賢司氏[インタビュー]
  5. 栃木ホンダ販売、テラチャージの急速充電器設置…EV充電環境を強化
ランキングをもっと見る