レース界の“10・22出否問題”が決着…気鋭ガスリーはF1アメリカGPへ、スーパーフォーミュラ王座戦線からは離脱

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今季スーパーフォーミュラ参戦時のガスリー。
今季スーパーフォーミュラ参戦時のガスリー。 全 8 枚 拡大写真

10月22日を決勝日とするF1アメリカGPとスーパーフォーミュラ(SF)最終戦鈴鹿、ピエール・ガスリーがどちらに出場するのかは日本のレースファンにとって一大関心事だったが、7日、ガスリーのアメリカGP出場をトロロッソが発表。彼のSF王座獲得の可能性が事実上、消滅した。

昨年のGP2(現FIA-F2)王者で、今季はチーム無限からSFに参戦しているガスリーは、フランス出身21歳の新進気鋭。レッドブルのジュニアドライバーで、来日当初から近い将来のF1昇格が確実視される存在でもあった。

そしてガスリーは、今季途中からF1参戦を実現。レッドブルの系列チームであるトロロッソから、先週(10月1日決勝)のマレーシアGPにてF1デビューを飾り、今週(8日決勝)は鈴鹿サーキットで開催中の日本GPに参戦している。

ガスリーの今季中のF1参戦が具体的な噂話となったのは9月10日前後からだったが、その頃から問題になっていたのがF1アメリカGPとSF最終戦鈴鹿(2レース制)の日程重複である。10月22日が決勝日の両イベント、ガスリーはどちらに出るのか?

まるで某都知事かというような10・22出否問題は、もちろんガスリー本人の意思だけで決められるものではなく、むしろ彼を取り巻く環境の情勢次第だったわけだが、7日、トロロッソがガスリーのアメリカGP出場を明文化したことで決着を見た。

トロロッソは今季をカルロス・サインツJr.とダニール・クビアトのコンビで戦っていたが、マレーシアGPからサインツとガスリーのコンビに。そしてこのほど、サインツは来季の移籍先であるルノーに次戦アメリカGPから先行加入することになった。そのためトロロッソは、サインツが抜けるアメリカGPをガスリーとクビアトのコンビで戦うことを決めている(ルノーはサインツとニコ・ヒュルケンベルグのコンビに。ジョリオン・パーマーはシートを失う)。

ガスリーは今季SFで2勝、最終戦を残して首位と0.5点差のランク2位につけているが、これで王座獲得の可能性は事実上消滅。ホンダエンジン勢で唯一、ドライバーズタイトル獲得の可能性をもつガスリーの戦線離脱により、トヨタ勢のドライバーの誰かが今季のSFチャンピオンになることも自動的に決まっている。トロロッソは来季からホンダ製パワーユニット(PU)でF1を戦うチーム(現在はルノー製PU搭載)。ホンダがSF王座獲得のために“協力”を要請、という状況は生じなかったようだ。

なお、トロロッソの来季ドライバー人事や、SF最終戦鈴鹿でガスリーの代役があるのかどうか、ある場合に誰なのか等々は、現時点で発表されていない。SF最終戦の盛り上がりという意味では残念な決定となったが、「F1は僕の夢」と語る若きナイスガイの将来が大きく開けたことを祝福したい。

ガスリーは7日、自身2戦目のF1参戦となる日本GPの予選で17位。8日の決勝レースは、他車のグリッド降格ペナルティにより14番グリッドからのスタートとなる見込みだ(7日19時45分時点の暫定グリッドによる)。

《遠藤俊幸》

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