【危機管理産業展2017】浜松のバイクシートメーカー、救助用ゴムボートを展示…穴があいても沈まない

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浜口ウレタンの「ウレタン注入ボート」
浜口ウレタンの「ウレタン注入ボート」 全 3 枚 拡大写真

静岡県浜松市に本社を構える浜口ウレタンは「危機管理産業展2017」(10月11~13日、東京ビッグサイト)に救助用ゴムボートを展示した。製品名は「ウレタン注入ボート」で、外皮のゴムに穴があいても沈まないそうだ。

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同社は30年以上ウレタンを製造してきた企業で、バイクのシートをはじめとした乗り物のシートを数多く手がけてきた。そのモットーは国内でしか生産づくりで業界のオンリーワン企業になること。

そんな同社が多角化の一環として約5年前に発売したのが、今回展示したウレタン注入ボートだ。きっかけは東日本大震災だが、同社ではかねがね自分たちで価格を決められる製品をつくりたいという思いがあった。

「このボートは空気の代わりに、水を吸わないウレタンを注入したもので、非常に浮力があり、衝撃にも強く、穴があいても沈むことはありません。ですから浮遊物などにぶつかっても大丈夫です。また、プロペラのない船外機を使っているので、浅瀬でも進むことができ、人が近づいても安全です」と同社関係者は説明する。

ただ、開発には苦労したそうだ。というのも、ウレタンは成型後に収縮する性質があり、ボートの中に注入してしばらく立つとウレタンが縮んでボートにしわができてしまったからだ。そこで、縮まない原料の開発に取り組み、2年かけて完成させた。ボートにはウレタンとその原料を混ぜて注入している。

ボートにはスピードタイプと安定タイプの各4種類あり、大きさは長さ3~4.7m、幅1.5~2.1mとなっている。価格はボート本体が100万円~190万円で、船外機が150万円。そのほか、オプションでタイヤ、ボートトレーラー、救助ネット、ボート用はしごなども販売している。

「お客さまはほとんど消防や警察関係で、現場での評判はいいです」と同社関係者。16年5月の伊勢志摩サミットでは警備艇として採用された。現在、海上自衛隊からも引き合いがきているという。また、このウレタンを活用した救命胴衣も開発しており、こちらは一般救命胴衣より4倍以上の浮力を持ち、大人4人でつかまっても沈まないそうだ。

《山田清志》

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