【シトロエン C3 試乗】“ダメンズ”でも可愛さにやられてしまう自分がいる…岩貞るみこ

試乗記 輸入車
シトロエン C3 SHINE
シトロエン C3 SHINE 全 16 枚 拡大写真

独特のスタイルになった『C3』。全長は3.99mを切るコンパクトさだけれど、存在感は圧倒的だ。運転席に座ったあと、ドアを閉めようと手を伸ばした先にあるドアハンドルは革。効率や使い勝手を追及する世界から解き放たれる自由さが手に伝わってくる。

しかし、サイドミラーを合わせようとすると、スイッチはハンドルの奥にあり、ドラポジをとると手が届かない。ミラーを見る~スイッチで角度を変えるを繰り返さなければならないという、デザイン優先である。さらに、シフトインジケータはセンターパネルの下の方にあり、すぐ手前にはドリンクホルダー型の小物入れがある。高さのあるものを置いたら、インジケータ見えないんですけれど。というか、スポーツモードスイッチ、押せませんよね?という具合。デザイン、自由だ。自由すぎる。

それよりも気になったのは、こもり音である。私のこもり音許容範囲が狭いことは自覚しているけれど、それを抜いても、このこもり方はちょっと、と思う。エンジンオブザイヤーを3年連続で獲得したという3気筒の1.2リットル+ターボエンジン。6ATだが、どうもこのATとの組み合わせがよくない。

街中を走っていると、4速にしろ5速にしろ1600~2200回転で走ろうとするのだが、2000回転以下になったときの、振動と耳の鼓膜を圧迫するこもり方がつらい。さらに、高速道路を走らせると、6速で80km/h程度、しかもわずかに上り坂のときに、アクセルをそうっと一定に踏みつづけると、ハンドルが細かく振動して手がしびれるような感じすらある。フランスでは、MT中心に乗られているのだろうが、日本はAT社会。この振動ぶりはなんとかしていただきたいものである。

とっても不快。そう思いながらクルマを降りて振り返る。すると、キュートでポップなスタイルが視界に入る。うーん、可愛い。女性がダメンズに惹かれるのは、脳科学的に証明されているらしいが、これだけこもり音がつらくても、C3のデザインにやられてしまう自分がいるのが、ちょっと情けない。かくなるうえは、街中はスポーツモードに入れて常に2000回転以上をキープし、高速道路はマニュアルモードにして走ろう。そうすれば、あのこもり音は回避できるのだ。

■5つ星評価
パッケージング:★★★★★
インテリア/居住性:★★★
パワーソース:★★
フットワーク:★★★
オススメ度:★★★

岩貞るみこ|モータージャーナリスト/作家
イタリア在住経験があり、グローバルなユーザー視点から行政に対し積極的に発言を行っている。主にコンパクトカーを中心に取材するほか、最近は ノンフィクション作家として子供たちに命の尊さを伝える活動を行っている。レスポンスでは、アラフィー女性ユーザー視点でのインプレを執筆。9月よりコラム『岩貞るみこの人道車医』を連載。

《岩貞るみこ》

岩貞るみこ

岩貞るみこ|モータージャーナリスト/作家 イタリア在住経験があり、グローバルなユーザー視点から行政に対し積極的に発言を行っている。レスポンスでは、女性ユーザーの本音で語るインプレを執筆するほか、コラム『岩貞るみこの人道車医』を連載中。著書に「未来のクルマができるまで 世界初、水素で走る燃料電池自動車 MIRAI」「ハチ公物語」「命をつなげ!ドクターヘリ」ほか多数。2024年6月に最新刊「こちら、沖縄美ら海水族館 動物健康管理室。」を上梓(すべて講談社)。

+ 続きを読む

【注目の記事】[PR]

ピックアップ

教えて!はじめてEV

アクセスランキング

  1. 「やっと日本仕様が見れるのか」新世代ワーゲンバス『ID. Buzz』ついに上陸! 気になるのはサイズ?価格?
  2. 最後のフォードエンジン搭載ケータハム、「セブン 310アンコール」発表
  3. 軽自動車よりも小さい! 15歳から運転できるオペル、約132万円から販売
  4. 高機能ヘルメットスタンド、梅雨・湿気から解放する乾燥ファン搭載でMakuake登場
  5. 「三菱っぽくないけどカッコいい」ルノーの兄弟車となる『エクリプス クロス』次期型デザインに反響
ランキングをもっと見る

ブックマークランキング

  1. 米国EV市場の課題と消費者意識、充電インフラが最大の懸念…J.D.パワー調査
  2. 低速の自動運転遠隔サポートシステム、日本主導で国際規格が世界初制定
  3. 「やっと日本仕様が見れるのか」新世代ワーゲンバス『ID. Buzz』ついに上陸! 気になるのはサイズ?価格?
  4. BYD、認定中古車にも「10年30万km」バッテリーSoH保証適用
  5. 「あれはなんだ?」BYDが“軽EV”を作る気になった会長の一言
ランキングをもっと見る