トヨタ自動車は10月30日、品種改良を飛躍的に加速させる独自のDNA解析技術「GRAS-Di」のライセンス契約を、かずさDNA研究所、ユーロフィンジェノミクス、ジーンベイと締結したと発表した。
従来の品種改良は、過去の膨大な実績に基づいて、両親になる品種を選定・交配し、その子孫を評価するという作業を繰り返して、目的の特性を持つ新品種を選抜するという方法がとられてきた。トヨタは2016年9月、独自のサンプル調整技術と次世代シーケンサーを組み合わせることで、有用な遺伝子を持つ個体を選抜する作業工程を大幅に簡略化できる技術GRAS-Diを開発したことを発表。従来技術で課題だったコスト、工数をそれぞれ約3分の1、約10分の1に大幅に改善した。
GRAS-Diは、品種改良全般に応用できるため、農業にとどまらず、畜産業、林業、水産業など、幅広い展開が期待される。今回のライセンス契約締結により、11月以降、国内外のDNA受託解析事業の中で実用化される。