セカンドセンチュリープラン、順調に推移「続々と新型モデル」…アストンマーティンCEO

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アストンマーティン・ヴァンキッシュザガート
アストンマーティン・ヴァンキッシュザガート 全 8 枚 拡大写真

ジュネーブモーターショー2015で発表したアストンマーティンの中期計画、“セカンドセンチュリープラン”は発表から2年経過し、順調に推移しているとCEOはコメントする。

◇快調なセカンドセンチュリープラン

セカンドセンチュリープランは、アストンマーティンの次の100年にわたる持続可能な成功の道を切り開くために作成された中期計画だ。これまで2年以上にわたって実行してきたが、「会社を大きく変革し、持続的に成功し続けるラグジュアリーカンパニーとして、これまでとは大きく違った成功を収めている」とは、アストンマーティン東京ショールーム開設に際し来日した、アストンマーティン・ラゴンダリミテッドCEOのアンディ・パーマー氏の弁。

そして、「ビジネスの収益を上げ、拡大もしている。新製品が開発されており、新しいテクノロジーも導入している」と評価し、「このプランは、最先端のテクノロジーを提供する広範囲な製品ラインナップと、最高レベルのブリティッシュデザインとクラフトマンシップを組み合わせた会社として我々が成功を勝ち取るためのものだ」とした。

このセカンドセンチュリープランは、大きく3つの柱によって成立する。まずアストンマーティンの中核製品であるGTスポーツカー、次にSUV、 最後は大型車だ。そこに加え、「他の事業分野も開発している」とパーマー氏はいう。

これらモデルラインナップは、「2015年より7年で投入する7台のクルマが3つの柱に属している。そしてそれぞれが7年のライフサイクルを持ち、それを今後繰り返していく。そこにプラスして限定生産されたものや『ヴァンキッシュザガート』のような特別プロジェクトモデルを導入することでさらに強化。これらによって、我々が真にサスティナブルなラグジュアリービジネスとなり得るのだ」とした。

◇GTスポーツカー、SUV、そして大型サルーンの重要な3つの柱

この3つの柱についてパーマー氏はより詳細に説明する。「GTスポーツカーは『DB11』などが属し、これがアストンマーティンらしいマーケット対応車だ。DB11やヴァンテージなどがあたり、今後『ヴァンキッシュ』が次世代モデルになる。2020年にはミッドエンジンスポーツカーを投入。フェラーリ『488GT』と競合するモデルだ」。そして、新しいマーケットに向けてラグジュアリーSUVがある。「『DBX』と呼んでいるもので2019年に登場予定だ。そして最後はベントレーやロールスロイスが占めているセグメントに、2021年と22年に『ラゴンダ1』と『ラゴンダ2』がデビューする。それらのライフサイクルが7年なので、毎年1台ずつニューモデルがデビューするのだ」と明かした。

また、それらにプラスし、フェラーリ『ラフェラーリ』やマクラーレン『P1』などと競合するスペシャルモデルを「毎年2種類登場させる。具体的には『GT12』や『ヴァンキッシュザガートスパイダー』、『ヴァンキッシュザガートシューティングブレーク』、『ヴァルキリー』がこれにあたる」と発表した。

なお、ヴァンテージに関しては、「11月中に東京を含め世界中の6つの地域で同時に発表される予定である」という。

◇アストンマーティンが目指す先はラグジュアリーグループ

関連ビジネスに関してパーマー氏は、LVMHグループを例に挙げ、「今後我々はラグジュアリーグループを目指す」とし、「ラグジュアリーアパートとしてマイアミでマンションを建設したり、潜水艦、M 37パワーボート、ハケットの服飾といったところにまで参入していく。つまりクルマだけではなくラグジュアリー全体の事業にまで拡大していく。アストンマーティンは自動車メーカーとして唯一全てのラグジュアリーマーケットに対応できる企業となり得るのだ。そのために三本の柱がある」と語った。

◇サブブランドやEVも

市販車とレースカーとのつながり強化を表現するためのサブブランド、AMRに関しては、「全てのアストンマーティンのコアモデルで展開される。これらのモデルはレーシングマシンにインスパイアされて、強大なパワー、よりシャープなダイナミクス、個性的なエクステリアとインテリアを提供する」とし、「『ラピードAMR』の受注もスタート。お客様への納車は2018年下期となる予定だ」という。

そしてもうひとつ、ゼロエミッションビークルに関してパーマー氏は、「『ラピードE』の生産を2019年から開始する。ラピードEは155台の限定生産を予定しており、アストンマーティンとして初の電気自動車となる」と述べる。そして、「ラピードEはアストンマーティンが持つビジョン、願望を急速な変化に対応できる能力を示し、また、アストンマーティンの哲学、スピリットに忠実で、かつお客様に喜んでもらえる新しいタイプのクルマになるだろう。またこのクルマは、ラグジュアリーセグメントにおける、初の完全なEVとなる」とした。

パーマー氏は、「こういった革新、そして競争はかつてないほどのペースで我々の企業の存在、そして産業を変化させている。会社のCEOとしてこれほどエキサイティングなことはない」と意欲的に未来へ進むことを語った。

《内田俊一》

内田俊一

内田俊一(うちだしゅんいち) 日本自動車ジャーナリスト協会(AJAJ)会員 1966年生まれ。自動車関連のマーケティングリサーチ会社に18年間在籍し、先行開発、ユーザー調査に携わる。その後独立し、これまでの経験を活かしデザイン、マーケティング等の視点を中心に執筆。また、クラシックカーの分野も得意としている。保有車は車検切れのルノー25バカラとルノー10。

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