田園都市線トラブル多発「検査体制強化する」…東急・池尻大橋駅の送電線ショート運休

鉄道 企業動向
池尻大橋駅ホームでの復旧作業。今後、点検の回数を増し、検査方法を変えて再発を防ぐという
池尻大橋駅ホームでの復旧作業。今後、点検の回数を増し、検査方法を変えて再発を防ぐという 全 1 枚 拡大写真

15日、約5時間にわたる運休で通勤時間帯を直撃した東京急行電鉄・田園都市線池尻大橋駅のき電トラブル。同社は危機感を強め、検査体制を強化する。

東急電鉄の列車トラブルは、このところ目立っている。30分以上の遅延を生じた輸送障害は2016年に6件、2017年に入っても今回のトラブルを含み7件も起きた。2年間13件のうち10件は、田園都市線で起きたものだ。先月19日には三軒茶屋駅で停電による運休が発生している。

田園都市線は、渋谷駅~二子玉川駅(当時は新玉川線)の開業から40年を経過。老朽化による設備事故について、同社でも対策は進めていた。ところが、今回の事故は、送電ケーブルの取り換えから8年ほどしか経過しておらず、開業以来初めて場所での発生だった。

過去の信号設備故障などでは、バッテリーのバックアップがあったが、停電が長引いても影響がでないように非常用発電機を接続する改良も行った。10月の停電の対策では、変電所から送電する6600ボルトの交流ケーブルの点検を実施した。しかし、1500ボルト直流のき電ケーブルについては、点検を除外していた。

き電ケーブルの点検を怠っていたわけではない。2012年12月には5年に1度の絶縁測定を行っている。今年10月には2か月に1度の目視検査を行ったばかりだ。台車に乗ってケーブルの上と横から目視した限りは、異常は見つからなかったという。

そのため同社は今回のトラブルを機に、点検の回数を増やすことや、点検方法をより詳細な内容に変えていくことを明らかにしている。

東急の輸送障害
◎:田園都市線内のトラブル

2016年度
5月 ◎田園都市線 溝の口 レール継目板破断
7月 ◎田園都市線 二子玉川 ケーブル地絡(地面に電流が流れること)・発煙
8月 ◎田園都市線 桜新町 信号設備故障
10月 池上線 池上~蓮沼 信号電源故障
11月 大井町線 車両故障(発煙)
3月 ◎田園都市線 市が尾~藤が丘 電車線支持物破損

2017年度
6月 ◎田園都市線 渋谷 分岐器付近の発煙
6月 大井町線 旗の台~北千束 まくらぎ発煙
6月 ◎田園都市線 桜新町 連結送水管破損
7月 ◎田園都市線 渋谷 分岐器付近の発煙
9月 ◎田園都市線 中央林間 分岐器付近の発煙
10月 ◎田園都市線 三軒茶屋 停電
11月 ◎田園都市線 池尻大橋 き電ケーブル短絡

《中島みなみ》

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