車両や鉄橋の老朽化で「限界」…黒部峡谷鉄道、2018年に値上げへ

鉄道 企業動向
黒部峡谷鉄道は施設の老朽化による維持費の増加を見込んで運賃の値上げを決めた。
黒部峡谷鉄道は施設の老朽化による維持費の増加を見込んで運賃の値上げを決めた。 全 3 枚 拡大写真

黒部峡谷鉄道(富山県黒部市)は11月15日、鉄道事業法に基づき旅客運賃の改定を国土交通大臣に申請した。2018年のシーズンから値上げする。

黒部峡谷鉄道は、黒部川に沿って宇奈月~欅平間の20.1kmを結ぶ鉄道路線を運営。観光客向けのトロッコ列車や、沿線にあるダム・発電所の資材を運ぶ貨物列車を運行している。もともとは電力会社が建設した専用鉄道だったが、1953年から正式な営業路線に。1971年には、関西電力が全額出資する黒部峡谷鉄道が運営を引き継いだ。

申請によると、改定率は普通旅客運賃が15.8~16.5%、定期旅客運賃が15.8%。大人・片道の普通旅客運賃は、宇奈月~欅平間が今より270円高い1980円になる。現在は鉄道事業法に基づく改定手続きが不要となっている貨物運賃も、1区間1トンあたり3000円に変更。今より400円値上げされる。

黒部峡谷鉄道は「老朽化する橋梁や車両の維持管理費の増加が見込まれることから、コスト削減も限界に達し、平成30年度以降の収支内容が大幅に悪化する状況」にあるとし、運賃の値上げにより収支の改善を行う考えを示した。

申請が認可された場合、2018年4月1日付で運賃が改定される。黒部峡谷鉄道の旅客列車は毎年4月中旬頃から11月末頃までの季節限定で運行されており、実際に改定運賃が適用されるのは2018年4月中旬頃からになるとみられる。

《草町義和》

【注目の記事】[PR]

ピックアップ

教えて!はじめてEV

アクセスランキング

  1. 「やっと日本仕様が見れるのか」新世代ワーゲンバス『ID. Buzz』ついに上陸! 気になるのはサイズ?価格?
  2. 最後のフォードエンジン搭載ケータハム、「セブン 310アンコール」発表
  3. 高機能ヘルメットスタンド、梅雨・湿気から解放する乾燥ファン搭載でMakuake登場
  4. 船上で水素を製造できる「エナジー・オブザーバー」が9年間の航海へ
  5. 「三菱っぽくないけどカッコいい」ルノーの兄弟車となる『エクリプス クロス』次期型デザインに反響
ランキングをもっと見る

ブックマークランキング

  1. 米国EV市場の課題と消費者意識、充電インフラが最大の懸念…J.D.パワー調査
  2. 低速の自動運転遠隔サポートシステム、日本主導で国際規格が世界初制定
  3. 「やっと日本仕様が見れるのか」新世代ワーゲンバス『ID. Buzz』ついに上陸! 気になるのはサイズ?価格?
  4. BYD、認定中古車にも「10年30万km」バッテリーSoH保証適用
  5. 「あれはなんだ?」BYDが“軽EV”を作る気になった会長の一言
ランキングをもっと見る