日本自動車殿堂2017-18イヤーカーはホンダ N-BOX に決定

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ホンダ  N-BOX
ホンダ N-BOX 全 8 枚 拡大写真

2017年の日本自動車殿堂が決定した。カーオブザイヤーはホンダ『N-BOX』、インポート部門はボルボ『S90』、『V90』、『V90クロスカントリー』に、カーデザインオブザイヤーはレクサス『LC500』、カーテクノロジーオブザイヤーは日産『リーフ』の搭載技術が授賞した。

日本自動車殿堂とは、特定非営利活動法人日本自動車殿堂が行っているもので、日本における自動車産業・学術・文化などの発展に寄与し、豊かな自動車社会の構築に貢献した人々の偉業を讃え、殿堂入りとして顕彰し、永く後世に伝承してゆくものだ。また、日本自動車殿堂イヤー賞として、日本自動車殿堂カーオブザイヤー、同インポートカーオブザイヤー、同カーデザインオブザイヤー、カーテクノロジーオブイヤーといった表彰活動も行っている。

2017~2018日本自動車殿堂イヤー賞は、2016年10月21日から2017年10月20日にデビューした新型車を対象とし、最も優れた乗用車及びその開発チームを表彰するものである。

◇カーオブザイヤー:ホンダN-BOX 1300点満点中875点(次点849点 日産『ノートe-POWER』)

走行性、快適性、 経済性の高度な融合。そして、クラス最高水準の全方位衝突安全対策、助手席ロングスライドによる利便性などの数々の優れた特徴を備えたクルマとして評価された。

本田技術研究所N-BOX開発責任者の白土清成氏は、「私をはじめ、開発チーム全員の喜び。コンパクトで走りやすく、かつ、中が広くて使いやすいという、Nの原点に立ち返って、日本の中でファミリーカーを選ぶのなら、これがベストチョイスといえるようなクルマ作りを目指した。そのあたりを評価してもらえた」とコメントした。

◇インポートカーオブザイヤー:ボルボS90・V90・V90クロスカントリー 1300満点中976点(次点880点 テスラ『モデルX』)

より洗練された孤高の北欧調スタイリング、15 種類以上の運転支援技術を標準装備し、EV 自動運転を見据えた新世代プラットフォームの数々の優れた特徴が授賞理由として挙げられた。

ボルボ・カー・ジャパン株式会社代表取締役社長の木村隆之氏は、「これまで非常に多くの淘汰が繰り返えされ、スウェーデンを代表するブランドもボルボのみという状況」と現状を述べたうえで、「特に日本の方は、実際にスウェーデンに行った人はそう多くはないながらも、何かしらスウェーデンや北欧に、価値観や文化、デザインなどで親しみを感じてもらえる方が多い。実際にスウェーデン本社の人間と付き合っていても、とてもいい人たちで、日本と相性がいいなと思うブランド。今後ますます日本でのプレゼンスを高め、スウェーデン代表として、今後も頑張っていきたい」と話した。

◇カーデザインオブザイヤー:レクサスLC500 800点満点中585点(次点574点のトヨタ『C-HR』)

独創的デザインのラグジュアリークーペ、磨き抜かれたスピンドル・グリルとシルエット、高性能と快適空間をマッチさせた上質なインテリアなど数々の優れたデザインが評価された。

LC500は、2012年にコンセプトカー、『LF-LC』として発表されたモデルがベースである。レクサスLCプロジェクトチーフデザイナーの森忠雄氏は、「当初はデザインスタディで、市販の計画はなかった。しかし、数多くの市販を要望する声があったことから、これが後押しとなって、市販につながった」という。

そして、「当初はアメリカのCALTYでデザインしており、将来のレクサスを感じさせる、ほかのどのクルマにも似ていない唯一無二のデザイン。それから、とにかく格好いいクーペという題目で進めた」と話す。その後、本開発は日本で行われたが、多くの困難が待ち受けていた。「特にフロントフェンダーを極限まで低くし、リアフェンダーも極限までワイドに張り出させたことで、既存の生産技術ではなかなか実現できなかった」と振り返る。

そして、「デザイナーよりも、設計者や生産技術のメンバーが思い悩んでいた時期もあったが、彼らの努力とアイディアにより、ようやくこの形にこぎつけた。デザイン賞をもらったが、技術の力がなければこの形はできなかった。今後もレクサスとしてさらに力強いデザインを作っていきたい」と語った。

◇カーテクノロジーオブザイヤー:日産リーフの先端技術 1000点満点中746点(次点707点 ノートe-POWER) 

利便性を高めたプロパイロット パーキング、一充電航続距離 400km を実現、運転負担を軽減する e-Pedal システムなど数々の優れた技術を備えたシステムが評価され受賞に至った。

日産自動車は今シーズンの全ての賞典を辞退するとしたが、歴史遺産として記憶されるべきクルマや、その年次の最も優秀なクルマと開発担当者を讃え、歴史に刻み後世に末永く伝承するという日本自動車殿堂の理念に基づき、該当企業のいかなる事情があろうとも、顕彰するべきものは顕彰し、歴史に刻み、表彰状もトロフィーも作成された(主催者談)。

《内田俊一》

内田俊一

内田俊一(うちだしゅんいち) 日本自動車ジャーナリスト協会(AJAJ)会員 1966年生まれ。自動車関連のマーケティングリサーチ会社に18年間在籍し、先行開発、ユーザー調査に携わる。その後独立し、これまでの経験を活かしデザイン、マーケティング等の視点を中心に執筆。また、クラシックカーの分野も得意としている。保有車は車検切れのルノー25バカラとルノー10。

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