【ハーレー ソフテイル ストリートボブ 試乗】現代ハーレーの魅力を凝縮した…佐川健太郎

モーターサイクル 新型車
ハーレーダビッドソン ストリートボブ
ハーレーダビッドソン ストリートボブ 全 16 枚 拡大写真

『ストリートボブ』は新型ソフテイルの中では最もシンプルな装備でまとめられたベーシックモデルである。300kgを切る軽量スリムな車体に優雅なRを描くエイプバーハンドルやスムーストップの小さなタンク、切り詰められたフェンダーを備えるなど、ハーレーの正統的チョッパースタイルを体現しているのが特徴だ。

【画像全16枚】

低く長いシルエットにフロント19&リヤ16インチのワイヤースポークホイール、一直線に伸びた2本出しマフラーを組み合わせた“アメリカンクルーザー”の黄金比とも言えるプロポーションは、いつ見ても飽きない定番としての美しさがある。

見た目はクラシカルなのだが、よく見るとヘッドライトはLEDタイプだし、電源ソケットやデジタルメーター、キーレスイグニッションを備えるなど装備は現代的にアップグレードされ、色使いもマット系のダークトーンで統一するなど、今どきのトレンドであるボバースタイルも見事に融合している点にも注目したいところだ。

ストリートボブは一人乗り専用だ。その小さなシングルシートにちょこんと腰掛け、水平方向に腕を伸ばしてハンドルバーを握り、ミッドコントロールのステップに足を置いてみると意外にも楽なライポジであることが分かる。上体が起きてハンドルも近く、ステップにも体重を分散できるので自然な感じでリラックスできるのだ。シートもひと際低く足着きの良さは断トツだし、そして何より車体がスリムで軽いのがいい。

コーナリングも軽快で、タイトなワインディングもヒラヒラと切り返していける。近めのステップと高めのハンドルのメリットを生かし、僅かな入力によって曲がるキッカケを作りやすいのだ。ワンサイズ細くなったリヤタイヤと7kg軽量化されたボディによる俊敏なハンドリング、剛性を大幅に高めた新設計のフレームと前後サスペンションによるワンランク上の走りが魅力だ。

ちなみにストリートボブのエンジンは排気量1745ccのミルウォーキーエイト107仕様のみで、114に比べると鼓動感は穏やかで扱いやすい。パンチはやや劣るがそれでもこの排気量。トルクは十分すぎるほどだ。元々が戦闘的なモデルではないし、やや高めの回転数でハーレー独特の三拍子のリズムを味わいつつ余裕のクルーズを楽しみたいところ。プライス的にも手を伸ばしやすいモデルなので、最初のハーレーとしてもお奨めだろう。

■5つ星評価
パワーソース:★★★★
ハンドリング:★★★★★
扱いやすさ:★★★★★
快適性:★★★★
オススメ度:★★★★★

佐川健太郎|モーターサイクルジャーナリスト
早稲田大学教育学部卒業後、出版・販促コンサルタント会社を経て独立。編集者を経て現在はジャーナリストとして2輪専門誌やWEBメディアで活躍する傍ら、「ライディングアカデミー東京」校長を務めるなど、セーフティライディングの普及にも注力。(株)モト・マニアックス代表。バイク動画ジャーナル『MOTOCOM』編集長。日本交通心理学会員。MFJ公認インストラクター。

《佐川健太郎》

佐川健太郎

早稲田大学教育学部卒業後、出版・販促コンサルタント会社を経て独立。編集者を経て現在はジャーナリストとして2輪専門誌やWEBメディアで活躍する傍ら、「ライディングアカデミー東京」校長を務めるなど、セーフティライディングの普及にも注力。メーカーやディーラーのアドバイザーも務める。(株)モト・マニアックス代表。「Yahoo!ニュース個人」オーサー。日本交通心理学会員。MFJ公認インストラクター。

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