屋根そのものが構造材で中骨レスの「LIXIL カーポートSC」を開発・製造するLIXILが、メーカー主体として初めてモーターショーに出展する。
その初舞台は、11月23~26日に開催される第20回名古屋モーターショー。同ショー運営者は開催前日22日、報道向けプレ公開を実施。LIXILブース前では、担当者が取材に応じ、この新発想カーポートを選ぶユーザーの特徴や、出展のねらい、展開の可能性などについて語ってくれた。
現場は、ブース制作の最終段階でどこか忙しい雰囲気。完成まであともう少しというブース前で話してくれたのは、LIXIL HOUSING TECHNOLOGY JAPAN エクステリア事業部の大塚健史さん。
代表価格43万円というプライスで、10月から発売が始まった「LIXIL カーポートSC」について、大塚さんは「年間目標1400台の出荷目標に対し、計画以上の受注を受けている」と手応えを伝えた。どんな地域で売れているかという問いには、こう答えてくれた。
クルマ好きの声を次の商品づくりに反映したい
「地域では、中部地区がよく売れている。中部エリアは、新しいもの好きが集まる地。新商品をいち早く購入する人が多い地域で、彼らは商品を見て『いい品』と感じるとすぐに購入する。
「LIXIL カーポートSC」の販売開始から1か月が経ったいま、なぜ名古屋モーターショーでの実機公開を決めたか。
「これまでわれわれの商品は、住宅系のイベントなどでアプローチできた。このLIXIL カーポートSCについては、住宅系だけではなく、クルマ好きが集まるイベントなどで展示して、いろいろとユーザーから声を聞きたいと思っていたから」(大塚さん)
「住宅業界からの視点ではなく、クルマ業界からの意見や要望も聞きながら、商品づくりを展開していきたい。自動車業界ともつながりをもちたいという考えがあって、名古屋モーターショーの初出展が決まった」(大塚さん)
LIXILが世に問うカーポートを実際にクルマ好きに見てもらって、そこでの声を次の商品づくりに反映させたいという。この販売実績を積みつつ、今後どんな展開や可能性があるか。
EV・HV用コンセントがつく可能性は!?
「このSCの発展モデルがほしいという声もある。SCの基本構造をベースに、いろいろとアレンジしていく可能性はある」と大塚さん。
「柱に一体化させたEV・HV用コンセントがつくとか、洗車用ノズルが収まるとか」と聞くと、「可能性がないわけではない」と笑った。
「まずは一般地域での販売実績を踏まえながら、雪国や海辺、風が強いエリアに対応できるカーポートが出ることが考えられる」(大塚さん)
また、業界の“ナカの人”にも「LIXIL カーポートSCは一目置かれている」という。大塚主査は「もともと住宅系って、周辺商材について指名買いはほとんどなかったけど、このSCが登場して、「これいいね」って指名してくれるようになった。これは新しい流れ」とも教えてくれた。
最後に同社担当者は、「LIXILブースの説明員に商品の感想や意見をぜひ伝えて。先着1000名にプレゼントを用意している」と伝えていた。