20kgをひょい…ジェイテクト、パワーアシストスーツのプロトタイプ発表 2018年に市販めざす

自動車 ビジネス 企業動向
ジェイテクトが産業用アシストスーツのプロトタイプを発表
ジェイテクトが産業用アシストスーツのプロトタイプを発表 全 11 枚 拡大写真

JTEKT(ジェイテクト)は、2017年5月に産業用のパワーアシストスーツの開発と2018年中の市販開始を発表しているが、27日、東京銀座にある同社のショールームでプロトタイプの発表とデモを行った。

【画像全11枚】

本体は5月発表のものより洗練され、塗装された本体やアーム類は製品としても十分通用する仕上がりだ。バッテリー駆動の電動式のため、スーツからハーネス類が伸びることはなく移動も自由だ。介護・福祉用のアシストスーツは重いバッテリーを避け、エアアクチュエーターを利用するものもあるが、ジェイテクトのプロトタイプは高密度の小型バッテリーとモーター駆動となっている。

2018年の発売に向けて、まだ開発、改良を加えているとのことで、詳細スペックは発表されていないが、充電時間1時間で、4時間前後の連続稼働を目指しているという。このターゲットスペックは、工場など作業現場で、朝からお昼休みまで働き、お昼の休憩時間中に充電すれば、その日の終業まで使えるようにするためだ。

当面のターゲットは産業用とのことで、製造業、物流倉庫、農業、建設業などの現場での利用を想定している。最大アシストパワーは10kgで、腰の負担を軽減する。本体にはリモートスイッチがついており、持ち上げる荷物の重さによってアシストパワーを切り替える。バッテリーパックと制御ユニットは背中に背負い、アシストモーターは腰で支える形で、製品化時の本体重量は7kg以下を目指している。

アシストは腰の動きに対して行われるが、ひざを曲げたり、足を開いた状態でも作業、アシストができるような構造になってる。本体が体に密着していないと、十分なアシストが得られないので、装着ベストはS/L/Mのサイズが用意されるという。ベスト部分は洗濯可能だ。デモでは、スタッフが着脱をサポ―トしていたが、装着のポイントさえつかめば、一人で着脱可能だそうだ。制御はアシストパワーにあわせて、本体アームの動くスピードも変化する。

開発にあたっては、ジェイテクトの工場で実際に作業に使ってもらっているという。細かい制御やさまざまな姿勢にも対応するアシストスーツは、このような現場の声を反映している。例えば、現場からは装着したままフォークリフトの運転ができるいいという声があったそうだ。パレットはフォークリフトで簡単に持ち上げて移動できるが、パレット上の荷物の積み下ろしにはアシストスーツがあったほうがいい。しかし、アシストスーツの着脱が面倒だと作業効率が落ちてしまう。

テスト段階では、モーターやバッテリーの位置を工夫して、スーツを付けたままフォークリフトの運転も不可能ではなかったという。バッテリーパックは背中の上部なので、車種によっては座席の背もたれとの干渉は防げる。あとは腰のモーターや大腿の固定アームが座席などと干渉しなければ大丈夫だったそうだ。

ジェイテクトといえば、工作機械の豊田工機とベアリングのKoyo(光洋精工)が合併してできた会社、日本で最初に電動パワーステアリングを製品化したサプライヤーだ。自動車産業との縁は深いが、産業ロボットやアシストスーツは専門外にも見える。この点について、今回の記者発表に登壇した安形哲夫取締役社長は、「電動パワーステアリングで培ったモーターの反力制御、ベアリング技術、工作機械の技術が生かせる。また、多くの工場や製造業と接点があり、産業ロボットのチャネルも持っている」と、アシストスーツ開発のシーズについて語る。

しかし、シーズだけで産業用アシストスーツという新しい市場に参入したわけではない。自社工場も含め、製造業の高齢化、労働力不足、女性活躍といったニーズがあったからだ。まずは産業用からの市場参入だが、将来的には介護・福祉用途など広げていきたいとした。

《中尾真二》

テクノロジージャーナリスト・ライター  中尾真二

アスキー(現KADOKAWA)、オライリー・ジャパンの技術書籍の企画・編集を経て独立。現在はWebメディアを中心に取材・執筆活動を展開。インターネットは、商用解放される前の学術ネットワークの時代から利用し、ネットワーク、プログラミング、セキュリティについては企業研修講師もこなす。エレクトロニクス、コンピュータのバックグラウンドを活かし、自動車業界についてもテクノロジーを中心に取材活動を行う。

+ 続きを読む

【注目の記事】[PR]

ピックアップ

レスポンス公式TikTok

教えて!はじめてEV

アクセスランキング

  1. スズキ『アルトワークス』復活なるか!? 軽スポーツ復権への期待
  2. フィアット『トポリーノ』、「スポーツ スペシャルエディション」欧州発表…1958年の伝説的モデルに着想
  3. ホンダの最高級ミニバンが復活か?『エリシオン』後継でアルファードに挑む
  4. アストンマーティン、軍用SUV『Dreadnought』発表…「攻撃的な全輪駆動」を表現
  5. 次期『ノート』が日産復活の切り札となる? 2027年登場へ、価格は約30万円上昇か
ランキングをもっと見る

ブックマークランキング

  1. 警察庁、高齢運転者技能検査を見直しへ 合格者の事故率を追跡調査してみたら…
  2. AIDVの開発にもAIを活用、日産がプラットフォームをデモ…AWS Summit Japan 2026
  3. 超高硬度クロムめっき、EV・半導体部品の長寿命化に貢献…大型量産設備をサン工業が稼働 
  4. 3000アンペアの急速充電に世界初成功、電動トラックの未来を切り開く…MAN
  5. 【日産 リーフ 新型】次世代EVのスタンダードを描いた、“スーパーエアロ”と“スーパーフラッシュ”デザイン
ランキングをもっと見る