バッテリー電圧は初代プリウスより下がっているが容量は進化…トヨタ電動化技術

自動車 ビジネス 企業動向
初代プリウスのカットモデル
初代プリウスのカットモデル 全 9 枚 拡大写真

トヨタが28日に開催した電動化技術に関する記者説明会。解説されたモーター、バッテリー、そしてパワーコントロールユニット(PCU)のうちバッテリーについて詳しく解説する。

バッテリーはPHEV、EVといった電動化車両にとっては要技術ともいえる。現在、トヨタはリチウムイオンバッテリーより大容量で充電時間も短縮できる可能性がある全個体電池を2020年を実用化の目安として開発を続けているが、当面の主流はリチウムイオンだ。プリウスも4代目からリチウムイオンバッテリーに切り替えている。

バッテリーの技術ポイントは、いかに本体をコンパクトにできるか(同じ出力として)だ。セルの形状や電極、電解質の工夫によってエネルギー効率を上げる研究が続けられている。プリウスの場合、初代はニッケル水素バッテリーで288V。容積は100リットルを切るくらいのサイズだった。セルの工夫とPCUの昇圧システム導入、4代目でのリチウムイオン採用により、およそ25リットルと67%の小型化を実現している。PCUに昇圧システムを搭載したことで、バッテリー電圧は207V(4代目)まで下がっている。

もうひとつは、バッテリー電圧を監視する制御ユニットの小型化。これは一般的な電子回路の小型化、IC化により着実に進んでいる。リチウムイオンバッテリーの場合、電圧の監視をセルごとに行う必要があるのだが、監視回路を多チャンネル対応(マルチプレクサ)にするといった工夫をしたという。

他にも、サービスプラグ(整備時にバッテリーの接続を遮断するプラグ)の小型化、冷却ブロアーの小型化なども続けている。バッテリーもPCUのように温度管理が必要だが、PCUのように常時冷却する必要はないため、ファンによる強制空冷としている。物理的に風を送るフィンが必要なのであまり小型化はできないが、騒音を抑えるため、むしろフィンは大きくし、ブラシレスモーターを使うなどの工夫をしているという。

《中尾真二》

【注目の記事】[PR]

ピックアップ

教えて!はじめてEV

アクセスランキング

  1. トヨタ「クラウン」「アルファード」など21車種、64万台超の大規模リコール[新聞ウォッチ]
  2. スバル初の小型クロスオーバーEV『アンチャーテッド』正式発表、2026年発売へ
  3. 大成建設、高速走行中の給電に成功、EV向け「無線給電道路」の実証実験で[新聞ウォッチ]
  4. 車内すっきり! ワンタッチでCarPlayがワイヤレスに、「OTTOCAST MINI」発売
  5. エブリイ&ハイゼットオーナー必見! 最新便利アイテムをレビュー[特選カーアクセサリー名鑑]
ランキングをもっと見る

ブックマークランキング

  1. 「AIディファインド」の衝撃、日本の自動車産業は新たな波に飲み込まれるのか…アクセンチュア シニア・マネジャー 藤本雄一郎氏[インタビュー]
  2. リチウムイオン電池の寿命を2倍に、矢崎総業、バインダフリー電極材料を開発
  3. トヨタや京大、全固体フッ化物イオン電池開発…従来比2倍超の容量達成
  4. 栃木ホンダ販売、テラチャージの急速充電器設置…EV充電環境を強化
  5. スズキ初のBEVはなぜ「軽EV」じゃない?『eビターラ』開発者が語る「EVの悪循環」と「スズキの強み」
ランキングをもっと見る