近鉄が施設点検にドローンを活用する実証実験…KDDIの携帯通信網で制御 2018年2月から

鉄道 テクノロジー
スマートドローンを活用する実証実験のイメージ。実験は近鉄の車両基地で行なわれる予定。
スマートドローンを活用する実証実験のイメージ。実験は近鉄の車両基地で行なわれる予定。 全 1 枚 拡大写真

近畿日本鉄道(近鉄)、キヤノンマーケティングジャパン(キヤノンMJ)、KDDIの3社は11月29日、「4G LTE対応ドローンを活用した鉄道災害時の情報収集の実証実験」を2018年2月から開始することを明らかにした。

現在、災害などの異常時に、線路や送電設備といった鉄道施設を点検する際は、専用車両を使う方法や、徒歩巡回による目視といった方法が採られているが、路線網が500km超におよぶ近鉄では、駅間距離が長い区間や山間区間が多く、2次災害の危険もはらんでいることから、迅速な状況把握や復旧作業が困難なケースがあった。

そこで、高精細な映像を撮影できるカメラを搭載したドローンを飛ばすことで、より広範囲に正確な状況把握を行ない、安全・迅速な点検が図られることになった。

しかし、従来のドローンは制御エリアが狭く、ごく限られた範囲でしか飛行できないという欠点があることから、今回の実証実験では、KDDIの携帯通信ネットワーク(4G LTE)で制御し、飛行可能エリアを飛躍的に伸ばす「スマートドローン」を活用することになった。

スマートドローンは、「ドローンポート」と呼ばれる充電ステーションを経由することで、より長く飛行することが可能となっており、新潟県長岡市で行なった実験では、世界で初めて総距離6.3kmの自律飛行に成功したという。

実験に際しては、ドローン本体と、カメラを遠隔制御する技術をキヤノンMJが提供。KDDIは、ドローンの導入から運用までのノウハウをパッケージ化し、10月から提供している「KDDI IoTクラウド ~ドローンパッケージ~」のなかから、4G LTEの通信モジュールと運航管理システムを提供する。このパッケージを通した実証実験は、今回が初めてとなる。

《佐藤正樹(キハユニ工房)》

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