ロボットが実現する職人技術の継承---川崎重工のVR展示

モーターサイクル テクノロジー
Kロボライドと名付けられたVRアトラクション。ドローンで飛んでいる感覚を味わえる。
Kロボライドと名付けられたVRアトラクション。ドローンで飛んでいる感覚を味わえる。 全 4 枚 拡大写真

HMD(ヘッドマウントディスプレイ)とモーションシートでダイナミックな体験ができるVRアトラクションは、今や都市部で人気のアミューズメント施設の1つ。

【画像全4枚】

そんなVRアトラクションを国際ロボット展の会場にも持ち込んでしまったのが、川崎重工。

2脚のバケットシートをセットした台座をロボットに連結。HMDの映像に合わせてシートを動かすことでVRアトラクションとなってしまうのだ。映像はドローンによる川崎重工の工場内や様々な風景。まるでドローンに乗って飛び回っているような感覚が味わえるのだそう。これはお台場にあるカワサキロボステージにも現在展示してあるものだ。

さらにユニークなのは、塗装工程や組み立て行程を再現した産業ロボットで新たなソリューションを提案していたことだ。

Successor(サクセサー=継承者の意)と名付けられたこのシステムは、熟練職人の技術をロボットにコピーさせることで、技術の継承が行えるというもの。今回のブースでは来場者に塗装ロボットを操縦してもらい1つのカウルを塗装すると、それと同じ動きで次々とカウルを塗装していくという。

塗装しているのはツアラーバイクのカウルのようだが、実は塗装ではなく噴射しているのは水。濡れると色が変わる塗料が塗ってあり、塗装工程で色が付いたように見えるカウルは、回転して赤外線ヒーターで乾燥させると元の下地塗装に戻るという仕組みだ。

このサクセサー、作業者の操作を覚えて自動運転に変換するだけでなく、遠隔操作とのハイブリッド運転も可能。さらに人間特有の作業のバラつきもAIが学習して自動運転に変換できる。また熟練者がロボットに覚えさせた操作を、逆に新人にロボットが教えることもできるそうだ。

単に産業ロボットが作業者の代わりになるだけでなく、熟練技術者の匠の技も記憶して、次世代へと伝えていける。産業ロボットの新しい可能性を感じさせてくれるシステムだ。

《高根英幸》

【注目の記事】[PR]

ピックアップ

教えて!はじめてEV

アクセスランキング

  1. ライバルはアルファード? メルセデスベンツの最高級ミニバンが日本初公開!…ジャパンモビリティショー2025
  2. カローラクロスと立場が逆転、だからこそ生まれた「斬新セダン」のデザイン…ジャパンモビリティショー2025
  3. 三菱自動車、国内販売は5期連続増 2025年4~9月期実績
  4. アバルト最初のSUV『パルス』、Netflix『ストレンジャー・シングス』仕様をブラジルで限定発売…隠し装備も
  5. レクサスの新型「6輪ミニバン」の全貌が明らかに!「LS」はラグジュアリーセダンから「ラグジュアリースペース」へ…ジャパンモビリティショー2025
ランキングをもっと見る

ブックマークランキング

  1. 「AIディファインド」の衝撃、日本の自動車産業は新たな波に飲み込まれるのか…アクセンチュア シニア・マネジャー 藤本雄一郎氏[インタビュー]
  2. EV充電インフラ-停滞する世界と“異常値”を示す日本…富士経済 山田賢司氏[インタビュー]
  3. ステランティスの水素事業撤退、シンビオに深刻な影響…フォルヴィアとミシュランが懸念表明
  4. SUBARUの次世代アイサイト、画像認識技術と最新AI技術融合へ…開発にHPEサーバー導入
  5. 「ハンズオフ」は本当に必要なのか? 高速での手離し運転を実現したホンダ『アコード』を試乗して感じた「意識の変化」
ランキングをもっと見る