トヨタFCバスのルーフサイドパネルにCFRPが奢られた訳…テイジン【先端材料技術展2017】

自動車 ビジネス 企業動向
テイジンのブースに展示された巨大なバスのルーフサイドパネル。
テイジンのブースに展示された巨大なバスのルーフサイドパネル。 全 4 枚 拡大写真

東京モーターショーのトヨタブースに展示されていたFCバス。先端材料技術展で、あのバスのルーフ側面を覆うパネルを展示していたのはテイジン。何とこの巨大なパネルは同社のカーボンファイバーを使ってオートクレーブ製法で作られているのだとか。

【画像全4枚】

「素材や製法は新しいものではありませんが、これをトヨタさんに納入できるクオリティにまで高めることができたことが、これまでにないことなんです」と説明員。CFRPはプレス鋼板などと違い樹脂の熱膨張なども大きい。そのため大型の部品をトヨタが追求する精度で揃えるのは至難の技だったらしい。

それにしてもオートクレーブで熱硬化させるとなるとコストは大きく跳ね上がる。同じCFRPでも量産するなら金型を使ったプレス成形の方が精度も高いし、格段に低コストだ。もっともバスの場合、量産するといっても乗用車と比べると生産台数は圧倒的に少ない。ましてやFCVのバスとなると年間数十台レベルだから、金型を作る方が高くつく。それよりも少しでも軽く強靭なパネルを作ることを優先してトップカテゴリーのレーシングマシンと同じオートクレーブを用いて製作されたのだろう。金型無しで精度の高いCFRP製品を作るのは大変だった訳だ。

わざわざバスのパネルをオートクレーブで作らせたのは、水素の高圧ボンベなどを備えるルーフ回りを少しでも軽量化したいためだろう。今年度から販売が開始され、徐々に生産台数を増やす計画で、2020年には東京オリンピック/パラリンピックが開催される都内周辺をこのFCバスが走り回る計画だ。

《高根英幸》

【注目の記事】[PR]

ピックアップ

教えて!はじめてEV

アクセスランキング

  1. 日産『GT-R』をオリジナルアルミボディでカスタム、「R356」がふるさと納税の返礼品に…三重県明和町
  2. ランクル最小モデル登場!トヨタ『ランドクルーザーFJ』世界初公開、日本発売は2026年央頃に
  3. どうやって駅構内に運んだ?『クロスビー』改良新型のJR浜松駅搬入の裏側をスズキが公開
  4. 特装車メーカー「トノックス」、超小型モビリティ「クロスケ」など展示へ…ジャパンモビリティショー2025
  5. 次期『Sクラス』はこの顔? メルセデスベンツ『ビジョン・アイコニック』発表…大型2ドアクーペ提案
ランキングをもっと見る

ブックマークランキング

  1. 「AIディファインド」の衝撃、日本の自動車産業は新たな波に飲み込まれるのか…アクセンチュア シニア・マネジャー 藤本雄一郎氏[インタビュー]
  2. EV充電インフラ-停滞する世界と“異常値”を示す日本…富士経済 山田賢司氏[インタビュー]
  3. ステランティスの水素事業撤退、シンビオに深刻な影響…フォルヴィアとミシュランが懸念表明
  4. SUBARUの次世代アイサイト、画像認識技術と最新AI技術融合へ…開発にHPEサーバー導入
  5. 「ハンズオフ」は本当に必要なのか? 高速での手離し運転を実現したホンダ『アコード』を試乗して感じた「意識の変化」
ランキングをもっと見る