香港市街地コースで3日に開催されたフォーミュラEの2017/2018シーズン第2戦は、スタートから“レース後”まで波乱の連続。1位入線車両の失格裁定により、フェリックス・ローゼンクヴィストの“繰り上げ暫定ポール・トゥ・ウイン”という格好になっている。小林可夢偉は17位。
前日(2日)に続く開幕香港連戦、第2戦の決勝はセーフティカー先導で始まった。しかし、競争開始直後にポールポジション発進のローゼンクヴィスト(マヒンドラ)がいきなりスピンして遅れるという、なんとも波乱含みな幕開けに。
そしてレース終盤、今度はトップ走行中のエドアルド・モルタラ(ヴェンチュリ)がスピンしてその座を明け渡す。ここで首位に躍り出たのはダニエル・アプト(アウディスポーツ・アプト・シェフラー)。アプトはそのままトップでゴールし、序盤の遅れから挽回してきたローゼンクヴィストが2番手でチェッカーを受ける。モルタラは3番手ゴール。
ところがレース後にも波乱が。アプトのマシンが失格の裁定を受けてしまったのだ。理由は「テクニカルパスポートとマシンの部品番号が違っていること」(アウディのリリースより抜粋)。これによってローゼンクヴィストが実に波乱万丈なかたちで、繰り上げのポール・トゥ・ウインを果たすこととなった。
2017年は日本のスーパーフォーミュラでも活躍したローゼンクヴィスト。「今回は週末を通じてブレーキバランスに苦しんでいたが、次第に良くはなっていっていた。こういうかたちでシーズンを始められて嬉しく思うよ」。フォーミュラEでは16/17シーズンにシリーズ3位となっているだけに、新季は王座を照準に据えるローゼンクヴィストだ。
なお、アウディスポーツ・アプト・シェフラーはアプトの失格(レース除外)に対して異議申し立てをする意向を表明。チーム代表のアラン・マクニッシュは「部品が同一であり完全にホモロゲーションに準拠しているにもかかわらず、レース結果からの除外が決定されました。何のアドバンテージももたらさない、マシンの部品番号の管理ミスです。私たちは、すべての詳細を明確にすることを望んでいます。そのため異議を申し立てることを発表しました」としている(リリースより)。波乱の一戦はまだ決着したとはいえないようで、結果は「暫定」と捉えるべき状況。今後、再変更等があるかもしれない。
日本人ドライバーとして久々のフォーミュラE出場をスポット参戦のかたちで果たした小林可夢偉(MS&ADアンドレッティ)は、決勝17位(アプト失格の場合)。15位だった前日のデビュー戦に続き、10位以内入賞は叶わなかった。スーパーフォーミュラや世界耐久選手権との日程の問題もあるとは思われるが、今後の挑戦にも期待したいところだ。
フォーミュラEの17/18シーズン第3戦は18年1月13日にモロッコのマラケシュで開催される。