WTCCが2018年から世界ツーリングカー・カップとして新生、略称は「WTCR」に…1大会3レース制

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2017年WTCCのレースシーン
2017年WTCCのレースシーン 全 2 枚 拡大写真

FIA世界ツーリングカー選手権(WTCC)が来季2018年からFIA世界ツーリングカー・カップとして“新生”され、略称は「WTCR」になる。1大会3レース制のフォーマットで、全10大会が開催される予定。

世界のモータースポーツに関する様々な事柄を決める、FIA(国際自動車連盟)のワールド・モータースポーツ・カウンシルが6日に開かれ、その発表によると、これまでTC1という技術規定(マシンレギュレーション)を軸にしてきたWTCCが、18~19年についてはTCRという技術規定を適用されることになった。そしてシリーズ名も世界ツーリングカー・カップ(略称:WTCR)へと変わる。

ここで「World Touring Car Cupなら略称は結局WTCCのはず。なぜWTCRなのか」という素朴な疑問が呈されるところだが、これには少し複雑なレース界の事情が絡む。

TCRという技術規定が18~19年に適用されることは前述した通りだが、TCRというのは既存の別シリーズの名称でもあるのだ。TCR規定は近年、着実な広がりを見せており、多くの地域や国でTCRシリーズが展開中、TCR規定で参加できるレースも増えている。

そして、TCRシリーズの頂点が「TCRインターナショナル・シリーズ」。今回のWTCCからWTCRへの“新生”は、WTCCとTCRインターナショナルの実質的合流によって実現する格好であり、つまりTCRの頭にWorldのWが付いてWTCR、という解釈も成立するわけだ(TC1からTCRへの移行をよく反映する略称としてのWTCR、ともされている)。

FIA、そしてWTCCとTCRそれぞれのプロモーター的立場にある団体等々が、ツーリングカーレースの世界最高峰シリーズの次のカタチを模索し合った結果として新たに生まれるのがWTCR、ということなのである。

技術規定は18~19年の間は凍結。また、従来のWTCCにあったマニュファクチャラー(自動車メーカーのワークス参戦登録)という概念は消え、プライベートチームのみの戦いとなる。そしてレースウイーク2日間で決勝3レース実施のフォーマットで運営される予定だ(17年WTCCは2レース制だった)。

現在の世界的なモータースポーツ情勢のなかで汎用性が高いといえるTCR規定の車両を有している自動車メーカーはそれなり以上の数があるため、制限性が強い面もあったTC1よりも台数は集まることが予想される。最大エントリー26台ということで、それが実現すれば17年のWTCCよりは約10台の規模で増えるかたちになる。

WTCCにマニュファクチャラーとして参戦していたホンダが18年のWTCRで参戦チームへの積極支援等を行なうのか、現段階で発表はないが、シビック・タイプRのTCR車両は既に存在しており、スーパー耐久を含む国内外のレースに参戦中だ。ホンダのツーリングカーレース活動と関係が深く、WTCCワークス参戦の共同実働部隊でもあったイタリアのJASモータースポーツが製作していて、18年のTCR向けとして新型『シビック・タイプR』をベースにしたTCR車両をJASが開発してきた経緯もある。今後の動向が注目されるところだ。

18年WTCRの開催カレンダーは後日発表される。4大陸で全10大会実施の予定で、合計30レースのシーズンとなる。

《遠藤俊幸》

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