死傷事故を起こしたトレーラー運転者、フェリー船内で飲酒していた

自動車 社会 社会

カーフェリーへの乗船中はトラックやトレーラーの運転者にとっては「緊張感から解放される」とか、「眠るための時間が確保できる」ものであり、以前から「寝酒」と称した飲酒が行われてきたようだ。

☆☆☆

11月下旬、大阪府大阪市平野区内の阪神高速道路松原線で発生し、3人が死傷したタクシーと大型トレーラーの衝突事故について、大阪府警は12月11日までにトレーラーの運転者を過失致死傷や酒気帯び運転の容疑で送検した。

大阪府警・高速隊によると、問題の事故は2017年11月22日の午前0時40分ごろ発生している。大阪市平野区喜連西付近の阪神高速道路松原線(片側2車線の直線区間)で、第1車線から車線変更してきた大型トレーラーと、第2車線を走行していた営業中のタクシーが衝突。タクシーはトレーラーと中央分離帯側壁との間に挟まれて中破し、後部座席の乗客2人が死傷。運転者も骨折などの重傷を負った。

トレーラーを運転していた愛媛県新居浜市内に在住する55歳の男は自動車運転死傷行為処罰法違反(過失傷害)の現行犯で逮捕されたが、呼気からは酒気帯び相当量のアルコール分を検出。事故直前まで乗っていた船舶(カーフェリー)内で飲酒していたことが後の調べで判明した。乗船前にコンビニエンスストアで購入した焼酎を持ち込み、船内で水割りにして4杯を飲んでいたという。

男は「酔いはすぐに醒めるので、以前からフェリーの船内で飲んでいた」と供述しており、警察では飲酒運転が事故につながったものと判断。容疑を過失致死傷と道路交通法違反(酒気帯び運転)に切り替え、11日までに送検している。

☆☆☆

フェリー内の寝酒が度を越し、泥酔状態となったことで起きたのが、1999年11月28日に東京都世田谷区内の東名高速道路で幼児2人が死亡した事故。後に危険運転罪が制定されるきっかけともなった。この事故を起こしたトラック運転者もフェリー船内で酒を飲んでいたことが後に判明している。

フェリーを運航する船会社も車両利用客と徒歩乗船客の滞在スペースを分け、前者が乗る区画ではアルコール類の販売を行わないといった対策を実施しているようだが、今回のように外部からアルコール類が持ち込まれることもあり、完全な対処が難しいのが現状だ。

《石田真一》

【注目の記事】[PR]

ピックアップ

教えて!はじめてEV

アクセスランキング

  1. ベントレーの超高級住宅、最上階は「55億円」 クルマで61階の自宅まで
  2. 日産の新型セダン『N7』、発売50日で受注2万台を突破
  3. 【ダイハツ ムーヴ 新型】「ポッキー入れ」にイルミネーション、軽自動車でも質感を“あきらめさせない”インテリアとは
  4. トヨタ RAV4 新型、PHEVのEV航続は150km
  5. スバルマークの方が似合う? 新型ダイハツ『ムーヴ』のスバル版にSNSも注目!
ランキングをもっと見る

ブックマークランキング

  1. 茨城県内4エリアでBYDの大型EVバス「K8 2.0」が運行開始
  2. 三菱が次世代SUVを初公開、『DSTコンセプト』市販版は年内デビューへ
  3. 中国EV「XPENG」、電動SUV2車種を改良…新電池は12分で80%充電可能
  4. 米国EV市場の課題と消費者意識、充電インフラが最大の懸念…J.D.パワー調査
  5. 独自工会、EV減速でPHEVに着目、CNモビリティ実現へ10項目計画発表
ランキングをもっと見る