【BMW X3 試乗】見た目は保守的、だが中身はかなり挑戦的…諸星陽一

試乗記 輸入車
BMW X3
BMW X3 全 8 枚 拡大写真

3代目となる新しい『X3』を見ての第一印象は「ん?変わった?」であった。よく見れば各所が更新されているのだが、特徴的なキドニーグリルとそのシルエットからは大きく変わったという印象は受けない。それくらい、デザイン的には保守的なモデルチェンジとなったX3だが、中身はかなり挑戦的だ。

X3はその名の通り『3シリーズ』クラスのSUV。初代、2代目は3シリーズのプラットフォームを使用して作られたが、新しいモデルは『7シリーズ』や『5シリーズ』との共通性の高いプラットフォームに変更されている。(もっともこのプラットフォームがいずれは3シリーズにも導入されるのであろうが)

乗り出して感じるのは、いかにもBMWらしい走りのポテンシャルが与えられていることだ。シャシーやボディはカッチリしたもので、SUVとは思えないほどに引き締まり感にあふれたピシッとした印象。ステアリングやシートに伝わってくる振動やキックバックが正確な印象で、いわゆるSUV的なゆるさを感じることがない。イメージとしては背の高いセダンである。

日本仕様に用意される搭載エンジンは2リットルの直4ディーゼルターボで、最高出力は190馬力、最大トルクは400Nm。その400Nmはわずか1750回転で発生している。トルク特性そのものは低回転からググッと盛り上がるディーゼルらしいものだが、振動や騒音というレベルはガソリン的。車外で聞くとそれなりにディーゼル感があるが、社内での静粛性は高い。

アクセルを踏んでいくとグッと力強く発進し、そのままグングンスピードを上げていく。シャシーはそのスピードに追いつくだけのしっかりした性能を持っていて、クルマの安定感はつねに一定している。路面がうねった場面でもボディはフラットさを保っている。コーナリングではこれでもかというほどにロールが抑えられ、BMWはSUVではなくSAV(スポーツ・アクティビティ・ビークル)だと主張する場面がうかがえた。

3シリーズセダンが419万円~、ワゴンのツーリングが441万~であることを考えると、ボトムプライスが639万円のX3はもはや別クラスのクルマと考えたほうがいい。

■5つ星評価
パッケージング:★★★★
インテリア/居住性:★★★★
パワーソース:★★★★
フットワーク:★★★★
オススメ度:★★★

諸星陽一|モータージャーナリスト
自動車雑誌の編集部員を経て、23歳でフリーランスのジャーナリストとなる。20歳代後半からは、富士フレッシュマンレースなどに7年間参戦。サーキットでは写真撮影も行う、フォトジャーナリストとして活動中。趣味は料理。

《諸星陽一》

諸星陽一

自動車雑誌の編集部員を経て、23歳でフリーランスのジャーナリストとなる。20歳代後半からは、富士フレッシュマンレースなどに7年間参戦。サーキットでは写真撮影も行う、フォトジャーナリストとして活動中。趣味は料理。

+ 続きを読む

【注目の記事】[PR]

ピックアップ

教えて!はじめてEV

アクセスランキング

  1. 路面に「矢印」照らすウインカー国内初搭載、トヨタ『カローラクロス』が改良
  2. 「このサイズ感は良い」上陸間近のアルファロメオ『ジュニア』、日本に最適とSNS注目
  3. 「一目惚れしたかも」ジープ『コンパス』新型にSNS興奮、初のEVに「航続650kmって優秀では」
  4. オートサロンで注目の1台、スバル『S210』ついに抽選申込を開始 限定500台のみ
  5. 昔ほど“馬力アップ”しない? それでも交換する価値がある理由~カスタムHOW TO~
ランキングをもっと見る

ブックマークランキング

  1. トヨタ「GRファクトリー」の意味…モータースポーツのクルマづくりを生産現場で実現【池田直渡の着眼大局】
  2. BYDが「軽EV」の日本導入を正式発表、2026年後半に
  3. VWと米ウーバーが提携、『ID. Buzz』の自動運転車を運行へ
  4. シェフラーがヴィテスコ合併後初の出展、ポートフォリオ拡大と顧客対応力をアピール…人とくるまのテクノロジー展2025
  5. 地域再エネ活用の収益を還元、ホンダ N-VAN e:を茨城県神栖市へ無償提供
ランキングをもっと見る