スバルの不適切な完成検査---規程の拡大解釈、試験解答漏洩、監査対応という名の隠ぺい

自動車 ビジネス 企業動向
不適切な完成検査について謝罪し、再発防止策を公表する吉永泰之社長
不適切な完成検査について謝罪し、再発防止策を公表する吉永泰之社長 全 1 枚 拡大写真

SUBARU(スバル)の不適切な完成検査について、弁護士事務所がまとめた調査報告書が19日、同社により公表された。弁護士による調査は、社員役員延べ434人に及んだ。

資格を持たない検査員による業務は、社内規程上は本来、資格を持つ完成検査員が行うと定められていたが、完成検査員の養成課程で「完成検査員の候補者は『補助業務』を行うことができる」とされていたため、補助業務の範囲が拡大解釈されて、無資格者が完成検査そのものを行うようになっていたことがわかった。

また、完成検査員となるには全80時間の資格講習の実施、一定時間の補助業務、終了試験に合格することなどが規定されていたが、実態は社内規定に従った運用がされていなかった。

資格講習はそもそも記録管理がなく実施が確認できず、補助業務に従事して習熟する期間も、完成検査員となることとは無関係の業務について資格を与えられたケースがあった。また、日産自動車と同じように、終了試験において試験官が解答を教える、または暗示するなどの『ずさんな試験運営・監督』の実態があった。

現場には『習熟の見極めが行われており、検査に必要となる技術の十分性には問題がない』『検査に必要な技術を備えてさえいればよい』という『過度な技術重視の風土があった』と、調査報告書は指摘する。

ただ、こうした無資格者による検査について、国交省や社内での監査では、現場係長や班長が無資格者を完成検査ラインから一時的に外す『監査対応』が行われていた。

法令順守の精神は、ここでも軽視されていた。会見では吉永泰之社長と執行役員の大崎篤品質保証本部長が、30分以上にわたって報告書を読み上げた。

《中島みなみ》

【注目の記事】[PR]

ピックアップ

教えて!はじめてEV

アクセスランキング

  1. 「やっと日本仕様が見れるのか」新世代ワーゲンバス『ID. Buzz』ついに上陸! 気になるのはサイズ?価格?
  2. 最後のフォードエンジン搭載ケータハム、「セブン 310アンコール」発表
  3. 軽自動車よりも小さい! 15歳から運転できるオペル、約132万円から販売
  4. 高機能ヘルメットスタンド、梅雨・湿気から解放する乾燥ファン搭載でMakuake登場
  5. 「三菱っぽくないけどカッコいい」ルノーの兄弟車となる『エクリプス クロス』次期型デザインに反響
ランキングをもっと見る

ブックマークランキング

  1. 米国EV市場の課題と消費者意識、充電インフラが最大の懸念…J.D.パワー調査
  2. 低速の自動運転遠隔サポートシステム、日本主導で国際規格が世界初制定
  3. 「やっと日本仕様が見れるのか」新世代ワーゲンバス『ID. Buzz』ついに上陸! 気になるのはサイズ?価格?
  4. BYD、認定中古車にも「10年30万km」バッテリーSoH保証適用
  5. 「あれはなんだ?」BYDが“軽EV”を作る気になった会長の一言
ランキングをもっと見る