【レンジローバー ヴェラール 試乗】ショーモデルのような演出、スタイリングが美しい…丸山誠

試乗記 輸入車
レンジローバー ヴェラール
レンジローバー ヴェラール 全 18 枚 拡大写真

写真で見たときよりも実車を見るとプレミアム感がある。ドアノブをボディに収納したデザインなど、ショーモデルのようなスタイリングがとても美しい。

新規モデルの『ヴェラール』は、レンジローバーファミリーに属するが、そのポジショニングを見ると『レンジローバー』『レンジローバースポーツ』の下に位置するということらしい。

この美しいスタイリングを見ると、レンジローバーより格上のモデルと思ってしまいそうだ。車両価格を見るとレンジローバーは最低でも1377万円からスタートだが、ヴェラールは699万円からと圧倒的に安い。少なくともエクステリアを見るだけでは600万円台から用意されるモデルのようには見えない。

試乗車は「RダイナミックHSEディーゼル」で車両価格1053万円だが、オプションが約340万円付けられているためレンジローバーに迫る価格になっている

余談だがヴェラール導入でレンジローバースポーツと『イヴォーク』の販売が好調だという。ヴェラールを見に来たユーザーが上級モデルの価格はレンジローバースポーツとあまり変わらないことを知り、そちらを選んだり、イヴォークの実車を見てスタイリングに惚れて買ってしまうという。

◆ショーモデルのような演出

乗車する前からワクワクさせるのが、レンジローバー初採用のドアパネル格納式のディプロイアブル・ドア・ハンドルだ。ボディにドアハンドルという出っ張りがなくなり、すっきりしていて、それだけにキャラクターラインの美しさが映える。

ショーモデルのように見えるポイントのひとつが、このディプロイアブル・ドア・ハンドルだろう。キーを持った人が近づき、ドアロックを解除するとドアハンドルが出現する。

このエレガントなスタイリングに惚れて購入してしまっても後悔させない魅力があるが、インテリアの出来もいい。これもレンジローバーに迫る最上級モデルのような仕立てでプレミアム感がある。始動前のインパネやセンターコンソールのディスプレイはブラックアウトされたままだ。

こうした演出もショーモデルのように感じさせる点。操作スイッチが少ないのもインテリアの美しさを際立たせている。

◆ディーゼル人気に納得

レンジローバー ヴェラールの搭載エンジンは、3リットルV6ガソリンスーパーチャージャーと2リットル直4ターボのガソリン、同ディーゼルの3タイプ。2017年9月から販売しているが、もっとも受注が多いのがディーゼル(54%)だという。次が3リットルのガソリン(38%)で、2リットルのガソリンは8%となっている。

2リットルガソリンは2018年2月からデリバリー予定なので受注台数が少なくなっているのだろう。

ディーゼルに試乗すると人気が高まっているのがわかる。まずエンジンをかけたままのクルマに近づいても車外騒音が静かなため、ディーゼルであることがわかりづらく、カラカラというノイズも皆無なため駐車場が隣家に近くても気にならない。車内でのエンジン音もよく抑えられていてディーゼルらしいノイズは一切感じられない。

アクセルを踏むとスーッとスムーズに動き出し、それほど踏み込まなくても軽快な加速感だ。試乗時は3人乗車だったが重量増をまったく感じさせない。それもそのはずで1500回転時に430Nmもの最大トルクを発揮しているからスタート時から力強い加速が得られる。

首都高に入って走行モードをダイナミックに変更してアクセルを踏むと周りをリードする加速を見せるが、迫力があるほどではない。高回転域までスムーズに回って十分な動力性能を発揮しているが、少し前に乗った3リットルV6スーパーチャージャー付きほどの迫力はない。

もっともダイナミックモードでもエンジン音は静かだし、変速ショックもよく抑えられていてヴェラールのスタイリングとディーゼル優雅な走行フィールは合っている。試乗車は20インチタイヤ仕様だが、首都高の路面ジョイントも通過しても突き上げ感はなく、音も静かでスムーズだった。

◆迫力を求めるなら3リットルV6

プレミアムSUVはディーゼルを採用するモデルが多くなっているが、2リットルという比較的小排気量でこのパフォーマンスは立派だし、静粛性などもプレミアムモデルらしい、いい仕上げになっている。

迫力を求める人にはやはり3リットルV6をおススメする。車両重量が2トンをオーバーする重量級だが、380馬力を発生するため加速はスポーティで力強い。ダイナミックモードでアクセルを大きく踏み込むとあっという間に3桁のスピードになってしまう。そのときの室内の静粛性もプレミアムモデルらしく静かだ。ダイナミックモードでも太い排気音がうっすらと聞こえる程度。

3リットルV6もスムーズな8速ATとの組み合わせで高級感があり、シフトショックが少なくアクセル操作にリンクする感じがいい。シフトがスムーズで静粛性が高いためスピードを感じにくいため、スピード違反に注意が必要なほどだ。

■5つ星評価
パッケージング:★★★★★
インテリア/居住性:★★★★★
パワーソース:★★★★
フットワーク:★★★
オススメ度:★★★★

丸山 誠|モータージャーナリスト/AJAJ会員
自動車専門誌やウェブで新車試乗記事、新車解説記事などを執筆。キャンピングカーやキャンピングトレーラーなどにも詳しい。プリウスでキャンピングトレーラーをトーイングしている。

《丸山 誠》

【注目の記事】[PR]

ピックアップ

教えて!はじめてEV

アクセスランキング

  1. セリカに次ぐ「リフトバック」採用のカローラは、50年経ってもスタイリッシュ【懐かしのカーカタログ】
  2. ようやくですか! 新世代ワーゲンバス『ID. Buzz』日本仕様初公開へ…土曜ニュースランキング
  3. トヨタ『ランドクルーザー300』初のハイブリッド登場!実現した「新時代のオフロード性能」とは
  4. 【マツダ CX-60 XD SP 新型試乗】やっぱり素のディーゼルが一番…中村孝仁
  5. シートに座ると自動で送風開始、取り付け簡単「クールカーシート」2モデルが発売
ランキングをもっと見る

ブックマークランキング

  1. 米国EV市場の課題と消費者意識、充電インフラが最大の懸念…J.D.パワー調査
  2. 低速の自動運転遠隔サポートシステム、日本主導で国際規格が世界初制定
  3. 「やっと日本仕様が見れるのか」新世代ワーゲンバス『ID. Buzz』ついに上陸! 気になるのはサイズ?価格?
  4. BYD、認定中古車にも「10年30万km」バッテリーSoH保証適用
  5. 「あれはなんだ?」BYDが“軽EV”を作る気になった会長の一言
ランキングをもっと見る