利益でトヨタを凌ぐペトロナス、新潤滑油で日本市場へ攻勢…東京オートサロン2018でアピール

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新潤滑油をアピールするペトロナス・ルブリカンツ・インターナショナルの幹部。右端がジョゼッペ・ディアリゴCEO
新潤滑油をアピールするペトロナス・ルブリカンツ・インターナショナルの幹部。右端がジョゼッペ・ディアリゴCEO 全 4 枚 拡大写真

マレーシアからCEOが駆けつけて新潤滑油で日本市場を攻略すると宣言したのがペトロナス・ルブリカンツ・インターナショナル(PLI)だ。日本市場を世界で最も重要な市場と位置づけ、今後いろいろな製品と投入していくそうだ。

「日本は世界で最も進んだ自動車市場の1つで、そこに新製品を投入することは日本市場への影響だけでなく、日本の自動車メーカーが事業を行っている他の市場でのチャンスにつなげることができる」とジョゼッペ・ディアリゴCEOは話す。

ペトロナスと言えば、1974年に設立されたマレーシアの国営企業で、石油・天然ガスを生産し、特に液化天然ガスでは世界第2位に君臨する。もちろん同国のナンバーワン企業で、GDPの23%を稼ぐ。売上高は約10兆円だが、営業利益が2兆円を軽く超え、世界第5位。日本一のトヨタ自動車を上回る高収益企業である。

そんなペトロナスの潤滑油製造・販売を担当する会社がPLIだ。現在、世界90カ国以上の市場で自動車や工業用潤滑油製品を販売している。しかし、日本市場では2000年代後半の参入ということもあって、知名度は今ひとつ。

そこで一発逆転を狙って投入するのが「ペトロナス・シンティアム7000 0W-16」だ。世界に先駆けて日本市場に投入し、攻勢をかけようというわけだ。なんでも、その潤滑油はPLIの最先端グローバルリサーチ&テクノロジーセンター(イタリア・トリノ)で開発された新しい低粘度潤滑油で、レースの開発現場で培われたペトロナス独自の技術“クールテック技術”によって生まれた。クルマの燃費効率を高め、CO2排出量の削減に対応するように設計されているそうだ。

具体的には、エンジン温度をコントロールすることで過度な熱の吸収・放熱性を向上させ、エンジンパワーを最大限に引き出しながらエンジン内部の摩耗を減らす。交通渋滞や傾斜が急な坂道走行、高速道走行などさまざまな条件下においても優れた摩耗軽減性と高い酸化安定性によりエンジンを確実に保護するとのことだ。

「2018年をイヤー・オブ・テクノロジーと位置づけ、技術革新における重要な年。今年3月には、イタリア・トリノに6000万ドルのグローバルR&Dセンターを新たに開設する。これからもいろいろな製品を日本市場に届けたい」とディアリゴCEO。日本の潤滑油メーカーは今後、うかうかしていられなくなりそうだ。

《山田清志》

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